ストーリー
富山県射水市の「内川」沿いに住む、ちょっとドジだが憎めない高校生男子三人組、トオル(酒井大地)、アゲル(宮川元和)、ヨシキ(長徳章司)。
それぞれ家族や進学、将来に悩みながらも同級生の女子・花凛(原愛音)との会話を弾ませ、大好きなラーメンを食べ、熱いお風呂に浸かり、久しぶりの放生津曳山祭を楽しみに過ごしていた。
曳山祭りを翌日に控えた日、祭りの会長を務めるトオルの祖父・松蔵(泉谷しげる)が急死した。町の近藤医師(立川志の輔)が臨終を伝えると、家族に悲しみが広がっていく。ただ、370年続いた祭りの決まりで、総代や会長が亡くなったらその年は曳山が引けないという。松蔵が一番楽しみにしていた祭りが中止になるかもしれない。トオルはひらめいた。「じいちゃんはまだ死んどらんことにならんけ?」
一同、驚くが、祖母の佐江(丘みつ子)もトオルのアイディアに同意し、「出来んこと考えんと、出来ること考え!」と常日頃、松蔵が言っていた言葉を伝えて頭を下げた。
祭り当日、町中、多くの人で賑わっていた。父・俊也(金児憲史)の協力もあり、どうにか松蔵の会長挨拶も切り抜け、曳山祭りが始まった。「イヤサー、イヤサー」掛け声が飛び交っていく。
松蔵の葬儀の日、トオルは初めて家に借金があることを知る。アゲルやヨシキもあちらこちらでリゾート開発会社への借金の声が響いていることを耳にしているようだ。町中に不穏な空気が漂っていた。
そんな折、トオルたちは蔵で見つけた「射水の埋蔵金」という巻物を開いてみた。「埋蔵金さえ見つかりゃぜんぶ解決するんや!絶対見つけるがや!」
スコップやバケツを手に、埋蔵金を探し始める三人だが・・・。
コメント
酒井大地さん / 本江 透(トオル) 役
トオル役の酒井大地です。
トオルは明るくて情に厚く冒険心が強い、地元が大好きな男の子です。撮影中は射水の海や内川、美味しいラーメンやお風呂に癒されながら、監督や共演者の方々、スタッフさんや地元の皆様に支えてもらいながら精一杯演じさせていただきました。
地元の町を守る為に本気になって挑戦する姿を観ていただき、可能性に蓋をしないで背中を押してくれるような、励みになる作品になればいいなと思います。「僕ラー」是非、劇場でご覧ください!
原愛音さん / 壁 花凛 役
個人的に感じていたことですが、愛溢れるトオル家、私が演じる花凛と3 人との関係性、そして出演頂いた街の方々、全てが愛くるしく感じるその光景を堪能してもらいたいと思います。撮影期間中は、射水の至る所で写真ばかり撮ってました。
空き時間にはみんなでTikTok の動画を撮ったり、学生時代に戻った気分になれました。なかなかこのような風情のある街と出会える機会がないので、私にとっては貴重な経験になりました。最後に、富山弁も頑張って練習しましたので、そこにも注目して頂けると幸いです。
泉谷しげるさん / 本江松蔵 役
去年の夏の撮影で、とうとう映画が出来て良かったな、というよりは、よく出来たなという思いです(笑)。
地方で頑張って映画を作るという方向、とってもいいと思います。
落語みたいなお話しが映画になったこと、楽しかったな。ぜひ成功してほしいと思います。
丘みつ子さん / 本江佐江 役
主役のトオルと、その親友アゲル・ヨシキのバランスがとっても良く、同年代だからかも知れないけど凄く息が合ってて、端から見てると「本当に良いキャスティングだなぁ。」って思いました。射水市には一週間ちょっと滞在しまして、撮影の合間はよくランニングしながら街を巡っていました。とっても趣(おもむき)のあるところで撮影ができたことが嬉しかったのと、何より、射水市の市民の皆さんのご協力が非常に手厚くて、これが一番作品の中に良い影響を与えていたと思います。こうした地域の方々が全面協力する形での映画がもっと増えたらいいな ぁと思います。ぜひ皆さんご覧ください。
立川志の輔さん / 近藤陽介 役
故郷がまた!映画になった。またまた「新湊」は映画を撮りたいと思わせる魅力溢れる町なんだ、と気づかせてもらいました。「二度あることは三度ある」って、このままいくと「新湊」は第二の「柴又」になっちゃう・・・かも。
本多繫勝監督
いつか、夏休みの思い出の様な映画が撮りたいと思っていました。
八年前、富山県射水市で撮影された映画にスタッフとして参加した僕は、楽しい夏休みの様な感覚になり今でも忘れられない思い出となっています。
今度はこの町の人達に同じような体験をしてもらえたらと思い、町の人達に出演して頂いたり、スタッフとして映画作りに参加していただきながらこの作品を創りました。
半分以上が映画や芝居とは関係ない普通の人達と作り上げた粗削りな、しかし何か力を感じる映画に仕上がったと思っています。