【トッティと会話した"太っちょ"】レジェンドづくしのW杯抽選会取材記

2026.01.21
CREATOR REPORT
中村壮太
スポーツセンター吉村CP班

AX-ONスポーツセンター吉村CP班の中村壮太と申します。

2026年はサッカーのワールドカップイヤーとなりますが、大変ありがたいことに、この度、そのワールドカップ抽選会の取材に行かせていただきました。
小学3年生でサッカーを始め、中高もサッカー部、大学の卒業旅行ではメッシを見にバルセロナへ行くなど、"大のサッカー好き"の私にとって、今回の取材は夢のような時間であるとともに、ディレクターとしての力不足を痛感し、同時に粘ることの大切さを改めて学んだ機会でもありました。

 
【初日】初のアメリカ本土・ワシントンD.Cへ
 

アメリカ本土への訪問は初だったのでワクワクを胸に出発。飛行機からの景色が好きなので、いつも通り窓側の席をチョイス。最近はフライト中に頭を使いたくないので、「楽に見られる映画を」と昔のポケモン映画を見た。
サトシが10歳で家を飛び出していた事実に驚いたが、少年時代に見ていたポケモンが懐かしく、大人になっても楽しく見ることができた。

13時間のフライトを終え、空港からタクシーでホテルへ。FIFAオフィシャルのホテルのため入り口にはワールドカップのロゴがデザインされていた。
胸の高鳴りを感じつつ、この日は取材がなかったため、本場のハンバーガーをいただき就寝・・・のはずが。

【2日目】抽選会前日 レジェンドずらりのレッドカーペット取材

これが"時差ぼけ"か。全く寝付けず。「1時間寝ては起きて」を繰り返し、深い眠りにつけないまま朝を迎えた。しかも、ただの寝不足ではなく、言葉では表しづらいような疲労感、倦怠感、これまで感じたことのない"体調不良"を感じる。

カナダに留学している弟が先日帰国した時に「時差ぼけが...」などと弱音を吐いていて、これまでヨーロッパ出張で時差ぼけを感じたことがなかった私は、正直弟が「海外かぶれ」しているのだろうと、「可愛いやつめ」と思っていたが、ちゃんとしんどい、なめていた。
後で会社の先輩も、ヨーロッパは平気だがアメリカでは苦しんだと同じことを言っていた。次回からは睡眠時間を調整したい。

体調不良を感じながらもこの日が取材1日目。気合いを入れ直し取材会場へ。
今回の抽選会場は「ジョンFケネディセンター」、米国の首都ワシントンD.C.を代表する文化芸術公演場。こちらも建物の正面に大きくワールドカップのロゴがデザインされていた。

名前がつくほどなのに、なぜか建物正面ではなく、目立たない側面の方にケネディさんの銅像がポツンと立っていた。
ちなみについ先日こちらの建物の名前が「トランプ・ケネディ・センター」に変わることが決定したとの報道があった。いずれ横にトランプ像も立つのだろうか。

早速メディアセンターに到着すると、すぐさまメキシコメディアから「インタビューしたい」と声をかけられた。英語を話せる上司に通訳してもらいながら私が話すことになった。

「メキシコの有名選手は?」

「メキシコの印象は?」

「メキシコはどこまで勝ち進める?」

など、私が担当しているzeroやGoing!で普段、私たちも現地記者にしているような質問だ。それなりに普段から海外サッカーを見ているので自信を持って臨んだのが、これまたビックリ。日本語なのに驚くほど言葉が出てこない。有名選手は2、3名挙げられたものの、その選手の凄さや詳細な情報など、ディレクター目線で言えばいわゆる「使えるいいワード」が全く出てこない。自分がメキシコテレビ局のディレクターだったら間違いなくカットだ。
インタビュアーは不満気な様子を一切見せず、気持ちよく聞いてくれていたが、今でも申し訳なさが残る。普段現地記者がスラスラとこちらの欲しいワードを話してくれることのありがたみ、凄さをとても感じた。

メキシコメディアには逆インタビューもさせてもらったのだが、日本の選手について、技術の凄さまでスラスラとよく知っていたし、「日本はW杯準決勝まで行ける」と力強い言葉をいただいた。本当に感謝している。

他にも各国の現地記者にインタビューし、いよいよこの日のメインとなるレッドカーペット取材へ。

ゲストがレッドカーペットを歩いて会場に入って行くため、限られたエリアで横から撮影する取材。誰が来るか未定だったが森保一監督、宮本恒靖会長、FIFAから抽選会に招待された吉田麻也選手、その他、世界のレジェンドが来る可能性があり、逃さないようドキドキしながら待つ。

間違いなくセレブだと思われる人たちが通り過ぎていく中、すぐにサッカー協会・宮本恒靖会長が現れた。カメラマンに指示し無事、撮影完了。ひとまずホッとする。
すると今度はウクライナの英雄・シェフチェンコさんが現れた。子どものころ、ゲームで散々使っていたレジェンドの登場に興奮しつつ、こちらも無事カメラで撮影。

ここからは文字通り夢のような時間だった。
レジェンドがどのくらい来るか知らなかったが、想像以上だった。認識できただけでも、カンナバーロ、ベンゲル、シャビ、ドゥンガ、トレゼゲ、フォルラン、カランブー、ぺぺ、ファンニステルローイ、ファーディナンド、ファルカオ、カフー。とんでもないメンツだ。

この記事を見てくれている往年のサッカーファンはたまらないだろう。名前が思い出せないだけで見たことあるレジェンドは他にも何人もいた。

50分ほどかけて豪華なゲストが通過し、運営チームから退場の案内が出た。この時、まだ森保監督、吉田選手は撮影できていなかったが、退場の指示が出た以上仕方ない、機材を片付け退場しようと歩き始めた。

すると出口付近までたどり着いたタイミングで、吉田麻也選手が現れた。

慌てて荷物をおろし、ダッシュしながらカメラマンにも指示しつつ、私も念のためスマホで撮影する。ストロークが短いので必死だったがなんとか撮影することができ安堵。

こうなると森保監督が来る可能性を諦めきれず、運営チームも許してくれたので再び待機。しかし一向に現れる気配はなく、再び運営から退場のサインが出たので仕方なく出口の方へ。
すると出口付近で、今度は元イタリア代表のレジェンド、ロベルト・バッジョとトッティが現れた。

流石に大物すぎるので再び慌てて荷物を下ろしダッシュでスマホ撮影。レジェンドの中でも絶大な人気を誇る2人、生でのかっこよさはえげつなかった。

トッティが目の前に来たタイミングで思わず「トッティ!」と声が漏れてしまった。するとトッティはこちらに気付きイタリア語で何か言葉を投げかけてくれた。

なんと、あのトッティと会話してしまったのである。

なんて言われたのか、あとで調べたところ、親しみを込めた言い方で「よう、太っちょ!」という意味の言葉を言われていたようだ。痩せ型(自称)である私に「太っちょ?」と疑問に思ったが、ダウンでそう見えていたのだろう。確かに「太っちょ」に見えなくもない。「細い」と言われ続けてきた人生なので、ある意味忘れられない言葉である。

トッティとバッジョが過ぎ、流石に帰ろうかと出口に向かうと、さらに現れたのは元ブラジル代表のロナウドとカカ。これまたとんでもないレジェンドだ。カカは変わらず素敵な雰囲気だったが、ロナウドはふくよかになっていた。
その後森保監督は現れず、それでも粘ったおかげでレジェンドの中でも超一流のレジェンドを撮影することができ、その映像を日本に送り。無事に放送もされた。粘ることの大事さを改めて学んだ良い機会であった。

【3日目】抽選会当日 森保監督&宮本会長インタビュー取材

いよいよ抽選会当日。前日よりは寝つくことができ出発、と思いきやこの日の天候は大雪、気温はマイナス3度。日本の東京より気温が低いことは把握していたが予想以上の寒さである。

さらに驚いたのは抽選会会場でのセキュリティの厳しさ。この日はアメリカのトランプ大統領はじめ、開催国3か国(アメリカ、メキシコ、カナダ)の首脳が来ることもあり、厳重なセキュリティが敷かれていた。私は国際イベントの取材は初だったのだが、これまで何度もワールドカップやオリンピックを経験している先輩スタッフもここまで厳しいのは初めてと言っていた。

会場に着くと世界各国のメディアが行列を作っており、雪の中並ぶこと50分。ようやく受付前に到達したと思ったら、今度は荷物を全部地面に置き、全員横にはけると警察犬が荷物チェック。さらに警察官が荷物を一つずつ開封し中身をチェックするほどの厳重ぶり。寒すぎて我々もしんどかったが、素手で雪の中荷物をあさる警察の方々も大変そうだった。私はじめメディアの人間が動画を撮っていると、1人の警察官が「今動画撮ったやつは俺に送ってくれ!ママに見せるから!」とジョークを飛ばしていた、さすがアメリカだ。合計1時間ほど雪の中で並び、ようやく会場の中へ。

いよいよ抽選会のスタートである。仕事以前に"イチ"サッカーファンとして日本がどこと戦うのかドキドキする。

メディアは抽選会の会場には入れないのでメディアルームで映像を見ていた。個人的にメッシが大好きなのでアルゼンチンとのグループを期待していたが、日本はオランダと同組に。

オランダは大好きなバルセロナの選手も所属しているのでなんだかんだ楽しみである。

日本含めポット2の抽選が終わったところで抽選会後のインタビュー取材のため、そのインタビューゾーンに移動。現場で一緒だった各局の皆様とも協力体制を組んだ。その中でなんと森保一監督のインタビューは私が担当することになった。

今回のアメリカ取材で一番大事とも言える撮影を前に緊張感が高まる。今回は時差の関係もあり、日本テレビとしての放送一番目は「シューイチ」だった。ENGカメラで撮影した映像の伝送では、"速報"に間に合わないため、スマホで撮影し、すぐにLINEで伝送することになった。

スマホ素材も協力体制を組んだ各局の皆様にも送ることになったので、もちろん失敗は許されない。

抽選会が終わり、まずは宮本会長が来た。インタビューゾーンはわずか2名しか入れなかったため、音声さんは入れず、ENGカメラマンと私のみ。右手でワイヤレスのハンドマイク、左手でスマホを撮影しながらインタビューをした。

ペン記者(新聞・雑誌等の記者)の皆さんも多かったので狭いスペースにギュウギュウに囲まれながらのインタビューとなったが無事問題なく終了。

続く森保監督はさらに緊張感が高まり、手も震えそうだったが、こちらも無事に問題なく撮影できた。日本にも映像を送り、当初の予定通り、シューイチの速報で森保監督の声をお届けすることができた。その後もGoing! Sports&Newsや各情報番組など、多くの番組で放送することができ、一番大事な仕事を問題なく終えられたことに、大きな達成感を感じ安堵した。

撮影を終え会場の外に出るとケネディセンターがライトアップされておりとても美しかった。疲労感も癒される。

FIFAワールドカップは4年に一度、抽選会も4年に一度、この貴重な機会を現地取材することができ、またひとつディレクターとしての経験値が増えた。行かせていただけたことにただただ感謝である。改めて来年のW杯への気持ちも強まった。
優勝という最高の景色、新しい景色を目指す日本代表、選手たちの活躍を1人でも多くの国民にお届けできるよう、私も本大会まで邁進していきたい。