デフ陸上日本選手権で全体アテンドを担当

2022.11.11
CREATOR REPORT
和田弘江
ニュース・ライブセンター ニュース部


発光でスタートを知らせる「スタートランプ」

デフリンピックを知っていますか?

「デフリンピック」とは、【「デフ」+「オリンピック」】で、「デフ(deaf)」とは、英語の「耳が聞こえない」を意味し、4年に1度、開催される、聴覚に障害のあるスポーツ選手にとって最大の世界大会です。
その「デフリンピック」が2025年、東京で開催されます!日本での開催は初めてです。

障害者スポーツというと、「パラリンピック」をイメージする人も多いと思いますが、「パラリンピック」には聴覚障害の枠はありません。
「デフリンピック」の歴史は「パラリンピック」より長く、2025年大会は、「デフリンピック」が初めてフランス・パリで開催されてから100年にあたる節目の年です。しかし、国内での認知度は低く、まだまだ知らない人が多いのが現状です。

佳子さまも競技をご覧に

10月1・2日、東京・世田谷区の駒沢オリンピック公園で、日本デフ陸上競技協会主催の日本選手権が開催されました。大会初日には、秋篠宮ご夫妻の二女・佳子さまも訪問し、競技などをご覧になりました。
日本デフ陸上競技協会と私は、取材をきっかけに出会いました。その後、良好な関係を築かせていただいており、当日は佳子さまの全体アテンド役を務めることになりました。

これまでは社会部の宮内庁担当記者として、設定された中で取材をしてきましたが、今回は取材を設定する側として、事務局長と連日、連絡を取り合いながら様々なことを決定し、準備を進めなければなりませんでした。普段とは逆の立場を経験することによって、関係者のみなさまの苦労を知りました。
この場を借りて、取材の機会をいただいていることに感謝を申し上げたいと思います。


佳子さまのアテンドをする筆者

初めてのYouTubeライブ配信

今回の大会は、2025年デフリンピック東京大会の開催が決まってから、都内で初めて開催されたデフスポーツの大会でした。そこで、AX-ONのスポーツ中継班がYouTubeでライブ配信を行うことに。
AX-ONで、デフスポーツの中継は初めてです。企画戦略センターと外石Pを中心としたスポーツセンターの協力で、パラ陸上の中継などで培ったノウハウを活かし、今回のライブ配信が実現しました。

限られた予算の中、今大会では手話通訳や字幕放送をつけることは叶いませんでしたが、今後は2025年に向け、聴覚障害があってもスポーツ中継が楽しめる放送の形を、センターを横断して作り上げていきたいと考えています。


スポーツセンターの中継班

2025年デフリンピック東京大会に向けて

私がなぜ、デフスポーツに興味を持ったのかというと、高校で1年間オーストラリアに交換留学した時の"ある経験"が影響していると感じています。それは、英語がほとんど話せないまま、現地の公立高校に通っていたため、私をよく知らない下級生から「deaf」とからかわれたことです。
1対1ならいいけれど大人数だと会話の輪に入れない、電話が苦手、アナウンスなどで情報をつかむことが出来ず自分だけ知らないことが多々ある・・・など、聞こえない・聞こえにくい人の困り事と、私の困り事はとても似ていました。

聴覚障害は、見た目では分かりにくいため、障害理解がなかなか進んでいないと感じています。私は当事者ではないので、苦労の全てを理解することは出来ませんが、オーストラリアでの経験から、「聞こえの共生社会」の実現に少しでも役立てればと思っています。
デフリンピック東京大会の開催に向けて、様々な角度で新しい取り組みにチャレンジしていきたいです。


今年5月 デフリンピック出場のためブラジル渡航前の選手達と成田空港で
 ポーズは手話で「I love you」

  • 【ライブ配信動画:第19回日本デフ陸上競技選手権大会 兼 第2回 日本デフU18陸上競技選手権大会】

  • 1日目 - YouTube  ※11分37秒~ 動画開始
  • 2日目 - YouTube ※11分05秒~ 動画開始