声優・石丸博也さんご勇退 -解説放送とのあゆみ

2023.03.29
CREATOR REPORT
上野 章裕
メディアコンテンツセンター 字幕・解説放送制作部

声優の石丸博也さんが今年3月末をもってご勇退されることになりました。
ジャッキー・チェンの専属吹き替え声優として90作品以上を演じ、
ギネスブックにも載っている石丸さんですが、
解説放送のアイパートナー(視覚障がい者向けガイドのナレーター)としても長きにわたってご活躍されました。

日本テレビの解説放送は、他局に先駆けて1983年の『火曜サスペンス劇場』から始まりました。
石丸さんのアイパートナーは、なんと40年間にもなるのです!
ここ数年は、『それいけ!アンパンマン』、『24時間テレビ』のスペシャルドラマ、『金曜ロードショー』など、数々の作品でアイパートナーを務めていただいた石丸さん。 まさに解説放送の礎を築いた方です!

石丸さんのナレーションといえば、重みと温かみのある声で、それが今の解説放送を作り上げたのだと思います。 機械的なガイドではなく、目の不自由な方に寄り添うガイドができあがったのは、石丸さんのおかげだといっても過言ではありません。

以前、あるラジオ番組で、「声優として売れるかどうかはめぐり合わせ次第」と石丸さんが言っていたのを覚えています。
ジャッキー・チェンのシリーズが長く続いたからこそ、自分は吹き替えの仕事をし続けることができたという石丸さん。声優として売れ始めても、その作品が終わってしまえば仕事も途絶えてしまいます。いつどんな仕事が自分の代表作となるかは分からないからこそ、ひとつひとつのめぐり合わせを大切にしようという石丸さんの生き方を見た気がします。
自分自身も、石丸さんのようにひとつひとつの仕事に真摯に向き合おうと改めて思いました。

石丸さん、長い間大変お世話になりました!ありがとうございました。