
【“脳汁”出まくり!】充実のメジャー取材記

池亀 夏輝
スポーツセンター吉村CP班の池亀夏輝と申します。有難いことに、この度メジャーリーグのドジャース戦 及びオールスターの取材に行かせていただきました。普段味わえない刺激から、“脳汁”が出まくりの日々…
そして日頃の行いが良いからか、運にも恵まれたロケでした。
いきなりトラブル発生。フライトの予約名に不備があり、飛行機に乗れないかもという事態に見舞われる。
ともに渡米するスタッフ、プロ野球・巨人の元監督で解説者の高橋由伸さんもいる中でただただ焦り…。
それでも航空会社の方に色々と説明し、再予約することで何とか搭乗できた。
約10時間のフライトではしっかり睡眠を取ろうと思っていたが、隣が体格MAXで座席からはみ出さんばかり。おまけにトイレに立つ頻度が多い方だったのであまり眠れず。
今となっては良い思い出。
サンフランシスコ到着後、早速ドジャース戦取材へ。球場のオラクル・パークはライト後方がすぐ海となっていて、場外ホームランが海に飛び込む「スプラッシュヒット」が見られることで有名。
大谷選手は去年、あと一歩でスプラッシュヒットというHRを打っていたので、海にはカヌーに乗って“スプラッシュ”を待つ多くのファンの姿があった。
私も期待を胸に海の前で待機。「きょうは飛んでくるよ」とファンと談笑していると、その直後、大谷選手の打球が本当に飛んできた。
気温15度という肌寒さもお構いなしに、カヌー部隊はボールめがけてダイブ。
ボールを手にしたファンは大興奮。私もこの現場に立ち会えていることに大興奮。
「How do you feel?(ボール取れてどう?)」とインタビューする声にも力が入った。他メディアが1人もいない中で撮影できたこともあり、その興奮はひとしおだった。
人生でおそらく最初で最後の経験…
アドレナリン出まくりで、この夜もあまり眠れなかった。
大谷選手が投打二刀流出場。“投手大谷”を見られるまたとない機会で、この日も“脳汁”出まくり。
試合前は高橋由伸さんロケ班と別行動で、「Going!」でお世話になっているミニタニさん(芸人)と球場飯ロケを敢行。初めてお会いしたが、制作側の意図を汲み取る力とそれを体現する(超えてくる)力に圧倒された。
撮れ高を自ら作りにいく術を学べた気がする。かなりタイトな撮影時間ではあったが、雑談も含め有意義な時間だった。
試合後、サンフランシスコからアトランタへ7時間弱のフライト。しっかり睡眠を取ろうという算段だったが、再び苦難が…機内の冷房がガンガン。身体はキンキンに冷えきり、睡眠どころではなかった。
午前6時過ぎ、アトランタに到着。スタッフ一同、前日からほとんど休む時間もなかったので、ホテルにアーリーチェックインができるか確認。しかし、頑なに「NO!」の一点張り。残念…。
睡魔に襲われながら、食事やウインドウショッピングなどで時間をつぶし、チェックイン。
小休憩ののち、球場にクレデンシャル(取材証)を取りに行き、周辺取材を開始した。オールスター2日前だが、すでにムードは最高潮。日本よりも子供たちが野球を体験できる施設が多く、ファンが心待ちにしている様子がひしひしと伝わってきた。この形を日本も導入していけばもっと競技を普及させることができるんじゃないか、と思った。
因みにこの日はたっぷり眠れた。睡眠ってやっぱり大事。
スター選手が一堂に会し、会見を行った。目を引くのは大谷選手に集まる報道陣の多さ。
2~3人しか集まらない選手もいる中で、大谷選手のブースには50人近くが集結。とてもではないが、話を聞ける状態でなく、ほかの選手に話を聞きに行った方が得だと考え、大谷選手以外に専念した。
どの選手に話を聞いても出てくる言葉は「ショウヘイがナンバーワン」。分かり切ってはいたものの、やっぱり大谷選手って野球がうまいんだなと感じた。
会見後は練習取材。グラウンドには大谷選手と並ぶスーパースター、ジャッジ選手(ヤンキース)の姿が。
オーラに圧倒されていると、ファウルゾーンに歩みを進め、私の目の前で即席サイン会が開催された。シーズン中にファンサービスをすることはほぼないということで、ファンが殺到。私はもみくちゃにされながらカメラを回した。
何かの間違いでMyポロシャツにも書いてくれないかと淡い期待を寄せたが、そうはうまくいかなかった。
夜にはホームランダービーが行われた。レフトスタンド2階の記者席で観戦していると、私のすぐ横にホームランボールが飛び込んできた。150m以上飛ばす恐るべきパワー、またまた“脳汁”があふれた。そのボールを触ることもでき、いい思い出。
興奮は冷めることなく、やっぱり眠りは浅め。
また、この日から朝番組用の伝送が発生。Wi-Fi環境も一概に良いとは言えなかったため、細かく区切りながら撮っては抜粋して伝送の繰り返しだった。
送る順番をどうするか、何を送れば、その日のニュースが成立するか、追い込みの中でいかに作業を効率化できるかを考えるいい経験だった。大変ではあったものの、「Oha!4」や「ZIP!」、「news every.」など各番組で使っていただけて取材冥利に尽きた。
ついに当日。ビッグマックセットを食し球場へ。この日は試合前に行われる恒例のレッドカーペット取材と、試合前後の球場取材がメイン。
地獄のような暑さで、気を抜いたら間違いなく溶けていた。集中力も散漫となりかけていた中、最初にレッドカーペットに登場したのは、まさかの大谷選手と真美子夫人。一気に集中。
大谷選手はユニホームを着ているよりオーラがあった。私の目の前を通り過ぎると、すぐに大谷選手のインタビューが始まった。真美子夫人は一歩後ろへ下がり、私の目の前に止まっていた。
カメラは大谷選手に向きながらも、目は真美子夫人へ…。すごく良い夫婦だなと思った。その後もオシャレな選手たちの撮影を続けたが、デジカメと同時にRECしていたスマホが暑さによってバーストし、電源が入らなくなった。 全然オシャレじゃない展開にちょっと焦ったが、壊れはしなかったのでよかった。
朝番組用の素材伝送を終えると、ちょうどいいタイミングで試合開始。少しはゆっくり見られるかなと思ったが、選手がいつ囲み対応するか分からないため、ベンチ裏でひたすらスタンバイすることに。生できちんと見られたのは最初の1イニングくらいだったが、球場の熱量はすさまじかった。
試合は9回を終え同点。史上初のホームラン競争決着という、またも歴史的瞬間に立ち会えた。
試合展開は華やかな一方で、囲み会場はかなりカオス。場所取りしていてもお構いなしに割り込んでくる巨大海外カメラマンの圧力がすごかった。ただ、その巨大さに屈することなく、逆に弾き飛ばすくらいの気概で業務を全うできた。
ホテルに戻ったのは午前2時前。そこから残りの素材伝送等を済ませると、ほぼ睡眠をとることなくホテルをチェックアウト。充実感と共に帰国の途に就いた。
現地記者兼コーディネーターの方が毎日おいしいレストランに連れて行ってくださった。
ハンバーガー、蟹、シュラスコ、中華料理、ポキ丼…。量もアメリカンサイズで、特技が“大食い”である私にとっては毎日が幸せすぎた。
唯一、シュラスコの食量だけはコーディネーターさんに負けてジェラシーを感じたが、最後まで取材を完投できたのは間違いなく食事のおかげ。連日たくさん食べさせていただいたことに、ただただ感謝
アトランタは日本に近いジメっとした酷暑だったが、体を焼くことが好きな私にとって、ジリジリに照りつける日差しは大変ありがたかった。待機時間もあえて日陰に入らずにいたおかげで、そこそこいい色に仕上がった。
今は保湿を大切にする日々であり、皮も剥けずいい感じ。
共に行動したスタッフにも恵まれ、ずーっと楽しい取材だった。同時に日々いろんな人に支えられながら仕事をしているということも再実感した。この経験をどう還元していくか、取材のやり方、時間の使い方、身体の焼き方…
困っている人がいたら手を差し伸べられるよう、職務に邁進したい。