
「豪雨で被災した故郷を元気にしたい」
ZIP!のディレクターをしながら企画を出し続け実現した『謎解きゲーム#秋月城下謎解き奇譚』

そんな私の夢がついに叶いました。
振り返れば、ドラマ企画、ドキュメンタリー企画、イベント企画…
あらゆる形で朝倉市に関する企画書を書き続けるも、全く通ることのなかった日々。
そんな2年目の春、地域共創・マーケティング部に異動した同期に急に電話をかけて「地域共創で私の地元でなにかできないかな?」と相談したのがこの企画の始まりでした。
九州北部豪雨で大きな被害を受け、暗くなってしまった故郷。
明るくてのどかで大好きだった故郷に、笑顔を、元気を取り戻したい。
そんな思いで始めた、朝倉市の観光大使の活動を通して、より故郷について知っていくたびにどんどん知らなかった魅力に気づき、好きになり、もっと朝倉市のために何かをしたい!という思いが強くなりました。


企画考案のために実際に現地に出張に行かせてもらい、朝倉市やあさくら観光協会の方たちと話す中で見えてきた課題。それは でした。
実際に住んでいたころから、桜や菜の花の咲く春や、紅葉の時期とコスモスが咲く秋は車の渋滞がおき、地元の人が家に帰るのが大変になってしまうくらい人が訪れるのに、その他の時期には全く人がいないということには気づいていました。


また、朝倉市を代表する観光地である城下町・秋月は、当時の雰囲気を感じられる情景と、歴史的な建造物がたくさん残っているのに、桜並木が有名な杉ノ馬場通り以外には、ほとんど人が訪れないという現状がありました。


黒田官兵衛の孫である黒田長興が、朝倉市秋月に、秋月藩を成立させてからちょうど今年が400年。それを記念した事業への募集に、あさくら観光協会と共に参加させてもらえることになったのです。
そこで、時期や場所による観光客数のバラつき問題を一気に解決するために思いついたのが「謎解きゲーム」を使った地域周遊型のイベントでした。
当時よくいろいろな場所で見かけ、耳にしていた「謎解きゲーム」。流行っているなとは思っていたのですが、やったことはありませんでした。

そんなとき、一緒にこの企画を考えることになっていた同期に誘われて、脱出型の謎解きゲームに挑戦する機会があり、やってみたところドはまり。また、謎解きゲームには周遊しながら謎を解いていくタイプがあることも知りました。
これであれば、謎を解きながら「行ってほしいところに人を誘導できる」うえに、「知ってほしい歴史のことを知ってもらえる」ので、今回の秋月400周年記念事業にぴったりだと思い、これを企画書に落とし込みました。
せっかく謎解きゲームを作るのであれば、私たちがこれを朝倉市でやりたい!と思ったきっかけとなったゲームを作った「よだかのレコード」さんに謎づくりをお願いしたい。
そう思い立ったがすぐ、同期と二人でHPに書いてあった番号に電話をかけました。
「私たちもそういった事業には興味があるから、ぜひやらせてください」と言っていただき、たくさんの協力をしてくださいました。
その後、よだかのレコードさんからもらった情報なども入れ込んで企画書を完成させ、見事!採択されました!!
ただ、準備を進めて行く中で、意見の食い違いもあり、少し関係性が崩れそうになる瞬間がありました。
今年7月から謎解きゲームスタートの予定なのに、5月、6月の段階で
という話が出てしまうくらいでした。
ゲームのクオリティは落としたくないし、妥協はしたくない。みんな「朝倉市をもっと活性化させたい、より魅力的にしたい」という思いは同じはずなのに、思うように話が進まず、思わず泣きそうになったり、観光大使時代からお世話になっていて、今回の事業をやるきっかけにもなった市役所の課長が異動になったり。
謎解きゲームの完成度の高さとクオリティに驚きました。
事前に机上テストでなんとなくの内容は知っていたはずなのに、やはり現地で実際に街を歩きながら謎を解いていくと、楽しさも倍増しました。



自分の育った街で、謎解きゲームができたことにも感動したし、これをきっかけに朝倉市へ、秋月へ、訪れてくれる人が増えるかもしれないと考えただけでワクワクしました。
なんといっても私の「地元をもっと元気にする仕事がしたい」という一言から、こんなにたくさんの人が動いてくれて、大きなお金が動いて、ひとつの事業がスタートするということに感動しました。
スタート直後にふたたび福岡を襲った豪雨で、またもや心配と不安に苛まれましたが、スタートから4カ月が経とうとしている今、すでに何人もの方がチャレンジし、遠方からも訪れてくれている人もいるのだとか。
そんな方たちの感想ツイートを見ていると
という声が!
「よだかのレコード」さんによると、
”今回の謎解きゲームを作るにあたって使った謎のポイントは視察したポイントの約3分の1。まだまだ面白いところはたくさんあるし、謎解きのネタもあるから第2弾、第3弾もできますよ!”
とのこと。
第1弾を成功させ、ぜひ第2弾、第3弾…と続いて、朝倉市を盛り上げる代表的な事業になってくれたら、これ以上嬉しいことはないなと、いまでもその言葉を思い出して はニヤニヤしています。(笑)
地元の友達も何人も挑戦してくれていて、
といった声が続々と届いています。
朝倉市の皆さんとこの事業を始める時に目指していた目標のひとつが叶っているんだなと嬉しくなりました。
まずはこの謎解きゲームを無事にスタートできたことにほっとしていますが、朝倉市を元気にする私の道のりはまだまだ始まったばかり。
これからも何かしらの方法で朝倉市を、そして故郷以外の街も元気に、もっと魅力的にしていけるように頑張りたいと思っています。

