5年ぶり5回目の極北の地「グリーンランド」へ!
―民放連 地球環境問題啓発テレビ・ラジオスポット―

2024.04.22
CREATOR REPORT
古田則夫
クリエイティブ事業センタークリエイティブ2部

「5年ぶり5回目」なんか甲子園の出場回数みたいですけど、そうではなくて筆者が北極圏グリーンランドへ撮影に行った回数になります。
2012年から2024年の12年間で5回、これは武田信玄と上杉謙信の「川中島の戦い」と同じペースになるそうです。

余談はさておき、今回グリーンランドへは民放連から依頼された「地球環境啓発CM」を撮影しに行ってまいりました。
実は2023年7月に地球の平均気温が観測史上、最高を更新しました。(Copernicus (EU) C3S/ECMWFの発表より)

グリーンランドの中には、氷が溶けて洪水が起きてしまい街のライフラインが切断された街があったり、海の氷が薄くなって遠くまで漁に出られず漁師さんの生活に危機が迫っていたりと、私たち日本人が思うよりも身近に「温暖化」に直面しているのです。

民放連「地球環境啓発CM:続・最果ての友人編」

これまで5回グリーンランドに来ている筆者ですが、今回は過去一で寒い撮影となりました。

撮影に行ったのは2月上旬でまだ季節的には冬になり、最高気温が-23度、最低気温が-24度で鼻から息を吸うと鼻の中が凍る感じです。
そんな寒さなので、もちろん撮影機材も大丈夫なわけがなく、普通にカメラを使うと寒さでバッテリーが直ぐ切れてしまいます。
ですので、保温バックの中にカイロを大量に敷き詰め、機材を温めながら撮影を行いました。

移動中の筆者とコーディネーターのハンスさん。

保冷バッグの中はカイロを敷き詰めて保温

季節が冬ということで観光客もほぼ訪れないので、街のレストランも営業しておらず、毎日の食事は、現地でのサポート全般をして下さるコーディネーターのクリスチャンさんの家で食べさせてもらっていました。
メニューはグリーンランドではポピュラーな食材のトナカイの水煮やマタックと呼ばれるイッカク鯨の皮や鱈の干物など、現地に行かないと絶対食べられない郷土料理でした。

意外だったのが、マタックを食べる時につける調味料がなんと日本の醤油!
日本から8,000kmも離れた地で醤油が活躍しているとは、驚くと同時に不思議な縁を感じました。

クリスチャンさんとトナカイの水煮。力が湧き出る野生の味。

マタック(鯨の皮)醤油をつけて食べる

今回の 地球環境啓発CMを通し現場の漁師さんの生の声を少しでも世の中に知ってもらい、些細なことでも温暖化対策として行動に移していただければと思います。

オーロラ。現地では珍しくなく、出ても誰も教えてくれません...