読売巨人軍初のドキュメンタリー映画「GIANTS THE MOVIE」の制作裏話

2025.01.20
CREATOR REPORT
中村富美
スポーツセンタースポーツ1部
2024年、4年ぶりのセ・リーグ優勝を果たしたジャイアンツ。
その激闘のシーズンを振り返る球団「初」の映画をAX-ONスポーツセンターで制作しました。

映画制作の話があったのは昨年の10月。ジャイアンツ球団スタッフが、テレビカメラが入れない裏側の選手たちの様子に密着。さらに我々が行う独占インタビュー等を加えたうえで、決して順調ではなかったリーグ優勝への道のりを描いたものです。
監督を務めたのはスポーツセンタースポーツ2部の大矢浩之です。

上映まで期間が短く、最初は大変だなと思いました。でも、もともと自分自身がジャイアンツファンで、データを調べたり、選手やコーチに話を聞くのは楽しかった

1か月間マンツーマンで編集についてくれた今坂正純さん(元NiTROに所属し現在フリー、NiTRO在籍中は日テレスポーツニュースの編集マンとして巨人キャンプに長年同行)も大のジャイアンツファン。二人でいろいろ話しながら作り始めました。

球団スタッフが撮影した裏側の映像は、膨大な量でした。大矢監督だけでは全部を見る時間がありません。
そこで、強力な助っ人として監督の補助をしてくれたのが、スポーツセンタースポーツ1部入社3年目の矢島昌樹

シーズン中ほぼ毎日、球団スタッフ5~6人がカメラを回していました。その素材を見てキャプションをとるのに半月以上1日中パソコンと睨めっこ。ただ、プレー以外で選手の素顔を見ることができて楽しかった

と語る矢島は、野球経験者。練習中の選手の会話や試合前の様子は貴重なものでした。

今回の映画制作に向けて、ジャイアンツの阿部慎之助監督をはじめ、総勢13人のコーチ選手にインタビューを敢行。
その中で、大矢監督が忘れられないのが、菅野智之投手がクライマックスシリーズファイナルステージ第6戦で勝負を分けた投球の話でした。

日本一を逃す決定的な1球に込められた菅野投手のこだわりを知って、ファンとして負けた後味の悪さが消えました。やれるだけやったんだな、と納得しました

そして、もう一人が坂本勇人選手。「シーズン中、絶不調だった時期があり、その時のいやなことも正直に話してくれました」
さらに、大矢監督、矢島の二人が声をそろえて印象に残っているというシーンは、ジャイアンツ球場での坂本選手と原辰徳前監督の秘密練習。

9月23日の阪神戦で坂本選手が放った1本のヒットの裏に、こんなストーリーがあったのかと感動しました

納得いくまで何度も何度も繰り返し見て完成させた97分。「何回見ても飽きない。97分の時間を忘れる」と語る大矢監督ですが、一番緊張したのは、完成作品を球団スタッフに見せた時。「球団の方がどう反応するのかが気になった。上映中、うなずいてくれたり、笑ってくれたり、いちファンとして見てくれていた。」エンドロールが流れた後に拍手してくれた時は、ほっとしたそうです。
「劇場が球場のように盛り上がりながら見てくれるといいなと思います。選手一人ひとりの思いや、努力の一端を見て、次のシーズンもジャイアンツを応援したくなる、と思ってくれるといいな」

野球愛、ジャイアンツ愛であふれたスタッフで制作した「GIANTS THE MOVIE~頂点への挑戦~」は1月24日から全国の映画館で上映されます。

詳しくは特設HPまで。 https://www.giants.jp/sp/movie/

編集中 左が今坂編集マン、右が大矢監督