斎藤佑樹さんに、超過密スケジュールのロケをお願いした番組「斎藤佑樹 ロンドン発!500マイルの旅」7月28日(金)スタート!

2023.07.26
CREATOR REPORT
津郷大吾
スポーツセンター スポーツ2部

5月。あさ10時半。

四谷の喫茶店で、斎藤佑樹さんを待っていました。
私はこの番組の演出として、ハンカチ王子として一世を風靡し、プロ野球で開幕投手も務めた"大スター"に言わなければいけないことがありました。

  • 「朝から晩までカメラを向ける」
  • 「移動はなるべく公共交通機関か、自分の足」
  • 「4泊5日のロケで30分番組を10本作る」

なにしろお話ししたことがないので、どんなリアクションをされるか分かりません。スケジュールや内容を変更してほしい、と言われるかもしれません。

でも放送日から逆算してロケは一ヶ月後と決まってますし、仕込みもしてきました。全てをひっくり返されるわけにもいきません。(もちろん、マネジャーの方とはキチンとやりとりをしてきたわけですが。)

斎藤佑樹さんはもう野球選手ではなく"株式会社斎藤佑樹"の代表取締役です。ご自身が海外で多くのスケジュールを切ることのメリット、デメリットも考えているに違いありません。

約束の11時の、10分前。

斎藤佑樹さんがマネジャーさんと2人で喫茶店の会議室にやってきました。

ギリギリに来られるかな?と油断したスタッフがトイレに出ていたりしてバタバタしましたが、私はそんな余裕もなく部屋に張り付いてましたので、とにかくお座りいただいて、ロケディレクター岡本さんにお茶の注文をお願いし(ちなみに斎藤佑樹さんはアイスコーヒー。じゃあ...と全員アイスコーヒーに。)資料の説明に入りました。

斎藤佑樹さんが(殺人的なスケジュールも記載された( ̄▽ ̄;))資料を一通り見て言ったのは・・・

  • 「キレイな風景ですねー」

現場で揉めたくないので・・・私とロケ演出のディレクターで、あえて念を押しました。

  • 「朝から晩までカメラを向けます」
  • 「分かりました」
  • 「移動はなるべく公共交通機関か、ご自身の足でお願いしたいと...しかもカメラも回しっぱなしで...移動の様子もネタにしたく...」
  • 「分かりました」
  • 「4泊5日のロケで30分番組を10本作らせていただきます」
  • 「大変ですねー(^^)」

そのとき嘘偽りなく何の誇張もなく思ったことは、失礼ながら...

  • 「ハンカチ王子ってこんなにいい人だったんだ!」

あとは、イギリスは意外にも?初めてということや、趣味で展覧会まで開いたカメラの話など(番組の見どころのひとつになります)、終始にこやかに穏やかに丁寧に、我々...初めてのスタッフたちと会話してくれました。

とにかく頑張りましょう、よろしくお願いします、そんな感じでシメに入った時でした。
斎藤佑樹さんが言いました。

  • 「この旅のテーマはなんですか?」

・・・一瞬沈黙。

テーマ。もちろんあったんです。企画書があって、通ってるわけですから、無いわけじゃないんです。

けれども実際には、スケジュールの壁、予算の壁、ネットリサーチと現場コーディネーターのリアルリサーチの差、様々なモノをクリアするのに精一杯で、"仮"ロケ台本の形にはできたものの、一番大事なそれを明文化せず(言い切る自信がなくて(°_°))資料にしてしまっていたのです。

しかし、斎藤佑樹さんに答えないわけにはいかないので...書くべきだったテーマを口頭でお伝えしました。

  • 「学びの旅です」

斎藤佑樹さんの夢は野球場を作ることです。"株式会社斎藤佑樹"の代表取締役としての仕事は、「全て野球に還元する」とおっしゃっています。
つまり斎藤さんは全てのお仕事、行動、経験を、[野球=その象徴としての野球場作り]に生かそうとしているのです。

ちょっとカッコつけすぎかな...と思いながらも私は続けました。

  • 「この番組での旅も、野球場作りの肥やしにしてください」
  • 「僕が学ぶことを通して視聴者の皆さんにイギリスを感じていただく、そういう番組ですね。分かりました。」

・・・というようなことを最後におっしゃって、納得していただいたのかな?よかった...
と思っていたら誰よりベテランの小泉プロデューサーが

  • 「じゃあみんなで記念写真撮りましょう!」

と。
いやいや、納得していただいたんたから一刻も早く気持ちよく帰っていただきましょうよ!と心の中でツッコミましたが、私も写真に収まりました、、、。

とにかく最後の最後まで

気の抜けない打ち合わせでしたが、あとは現場に帯同したBS日テレ小池プロデューサーと井田・岡本、両ディレクターにお任せ...(僕は行けませんでした (T_T))でした。

超過密スケジュールの中、雨のロンドンを歩き、オックスフォード大学の緊張感ある静寂に耐え、羊に追われその毛を刈り、自ら食事を作り、野球までして、そのまま他局さんの仕事・・・メジャーリーグのロンドンシリーズ取材へと向かわれたそうです。

そこで何があったのか?何が撮れたのか?

少なくとも「ハンカチ王子・斎藤佑樹」のイメージがガラッとひっくり返る旅に・・・
いや、ひょっとして「イギリスでも斎藤佑樹だった」という番組かもしれません。

斎藤佑樹さん自身が帰国された後、

  • 「大変でした・・・でも面白かった」

と言ってくれた番組。ぜひご覧になっていただきたいと思います!

BS日テレ「斎藤佑樹 ロンドン発!500マイルの旅」

7月28日(金)スタート!毎週金曜22:30~23:00放送

https://www.bs4.jp/saitoyukiUK/

イギリスの街並みを歩く斎藤佑樹さん