
小学生に〝リテラシー〟を教える



担当:長島崇彦

今年は、文科省の事業が終了したため、小学校独自の取り組みとしてもう一度行ってほしいとお声がけいただき、再び、2月10日に「リテラシー」の授業を実施することになりました。
授業を行うのは、昨年4年生だった今年の5年生、2クラス。
昨年もそうでしたが、いまどきの5年生、想像以上にリテラシーの意識が高いんです。
ネットには、ウソの情報やフェイクニュースがあふれていることを説明した後に、「ネットでは、なぜこうしたフェイクニュースがたくさんあるか、わかる人?」と聞くと、20人ほどのクラスのうち半分くらいが手を挙げてくれました。
何人かに聞くと「多くの人に注目されるニュースを出せばお金がもらえるから」と。
後で説明しようと思っていた「正解」を知っている子が結構いるんです。
最初にクイズ形式で4人写っている写真で面確をするとき、どういう聞き方をすればいいか聞きました。
このときもクラスの半分くらいが挙手。
あてた子は、見事、正しい確認の仕方を答えたのです!
2クラスとも「正解」でした。
新人記者や若手のDでも間違えることがある「面確」を小5の子が完璧に答えることが出来るなんて、将来ニュース部に欲しい人材ではありませんか!!!

一通り、授業が終わったあと、1人の子がタブレット片手に質問に来てくれました。
携帯キャリア会社からメールが送られてきて、どうやらその内容は、アンケートに答えたら、お金がもらえるというものらしい。
その子は、「これはフェイクですよね?」と。
リテラシーの意識をしっかり持っているではありませんか!
「そうだね。あやしいからリンクはクリックしない方がいいよ」と答え、頼もしさを感じながら学校を後にしました。
担当:長谷川智彦、増田廉

まずは、子供たちに私たちがどんな仕事をしているのかを紹介。
24時間365日、必ず誰かがいる報道フロアの映像を見せると、子供たちも興味津々。
また、業界用語クイズも織り交ぜ、「あご・あし・まくら」ってどんな意味?と聞くと、勘のいい子は「ご飯のことじゃない?」 「移動のこと?」などと答えがどんどん出てきました。(ちなみに、去年は「てっぺん」ってどんな意味?をクイズに)
値上げのニュースやインフルエンザ流行のニュース、トランプ大統領就任のニュースを例に挙げ、何を調べて、何を取材すればいいのかを学んでもらいました。
報道は、「早く・正確に・わかりやすく」が大事なんですが、しっかりとメモを取って聞いてくれたのが印象的でした。


実際に映像を撮影して、原稿を読むまで全て自分たちで作ります。
子供たちは、タブレット端末での撮影・編集は"お手のもの"だそう...。
制作期間は2週間、果たして...。
子供たちは少し緊張している様子。
授業の冒頭5分に最後のチェック時間を設けると、すぐに原稿の表現や映像の手直し、テロップの色やフォントの調整を始めました。
ギリギリまで 『正確か?』 『わかりやすいか?』と、こだわる姿に1回目の授業を理解してくれているんだなと嬉しくなりました。
そして、各グループで発表。もう...驚きの連続でした。
とにかく完成度が高い。編集にもこだわっているし、興味があるテーマで、工夫もされている。
本当に感心しました...。

子供たちのテーマは、コレ。
- 給食の決まりごと
- ダンスクラブの発表会を終えて
- いい友達のつくり方
- 教えて!校長先生!
- 夢を持つ意味
- いつから体育着が今の緑色に?
...など。
どれも素晴らしかったんですが、個人的にすごいっ!と思ったのは、『いつから体育着が今の緑色になったのか』。
VTRでは、まず校長先生に理由を聞くも、分からず...。
そこで子供たちは、校長室にあった過去の卒業アルバムを1冊ずつ確認し始めました。
まさに "取材"で答えを見つけ出そうとする子供たちの姿に、感心しっぱなしでした。
小学校とニュース番組作りって、どこか遠い存在かな...と思ってしまいそうですが、モニターに出す映像や資料って、いつも番組で作っているVTRや解説コーナーととても似ていることがわかりました。
誰にでもわかりやすい"モノづくり"は、授業でも番組制作でも同じなんですね!
今回、みんなの発表を見て、興味のあるテーマは身近にあるんだな...と改めて考えさせられ、ニュースに純粋な気持ちで向き合っていく大切さを再認識させてもらいました。