
映像事業センター作品が
「映文連アワード2022」審査員特別賞を受賞!

日本赤十字社
生きたかった、だから闘った。~白血病で早世した山口雄也さんのメッセージ~
山口雄也さん
当センター制作の日本赤十字社のドキュメンタリーが、(公社)映像文化製作者連盟が主催する産業・文化短編映像祭『映文連アワード2022』において、審査員特別賞を受賞しました
2022年11月28日 国立新美術館講堂で行われた表彰式
(左)AX-ON映像制作部 専任ED 元 安司 / (右)日本赤十字社広報室長 岡山 晃久さま
2021年3月。京都大学4年生の山口雄也さんは、白血病で余命宣告を受けた状況で、病室から動画メッセージを撮影しました。
自分の命が日々献血によって生かされていること。名も知らぬ献血者への感謝と、献血を推進する人々に向けた願いとは。
ご両親の雄也さんに対する思いが伝わるインタビューや思い出の品々から、短くとも鮮烈な雄也さんの生涯をつづっています。
10分43秒 完成:2022年1月
クリックすると日本赤十字社のWEBページにジャンプします。
https://www.jrc.or.jp/about/publication/news/20211228_022702.html
山口雄也さんのご両親 父 山口睦雅さま/母 山口七美さま
「選考経緯」に、「出演された故・山口雄也さんと、ご両親の勇気と、製作者とクライアントの努力に敬意を表したい」とあるのは、とてもありがたく、本当に嬉しい言葉でした。それは私の個人的なものではなく、企画した日本赤十字社広報室の皆さん、何より父親の睦雅さんと母親の七美さんのことを思うと、嬉しさが何倍にも膨らみました。
雄也さんの自室
今回の作品は、雄也さんが生前SNSやブログで熱心に献血を推進していた投稿が日本赤十字社広報室の目に留まり、企画されたものです。
私自身が最も尽力したのは、雄也さんがSNSで発信した数多くのコメントや雄也さんの著書を読み、まとめていくこと。膨大な量を発信されていたので「この発言はいつのものか」もわからなくなってきます。「この時の心境はどうだったのか」を調べるためにTwitterの日付を後戻りしてみたり......。点として散らばっているものを、病歴を整理し、雄也さんの気持ちがどのように動いていったのかを辿ることで1本の線にしていきました。
映像制作部 専任ED 元 安司
私が日赤広報室のお手伝いをして5年になります。日赤は病院運営や献血、災害救護など、人の命と健康、尊厳を守る活動を行っているので、撮影は被災地や社会福祉施設、海外では難民キャンプなど、心の痛みを伴う場所も多いです。被災して雨に濡れた人、大切な家族や家を失った人、親元で暮らせない小さな子ども、そして彼らと向き合う日赤職員のドキュメンタリーを撮っています。
そんな現場で 重要なことは「相手の立場をどれだけ想像できるか、共感できるか」。常にそれを心がけながらカメラを回しています。
今回も、撮影は二の次でコミュニケーションを最優先させました。ご両親と一緒に、思い出の品々を見て、小さい頃の雄也さんに思いを馳せたり。共感できて初めて自分で納得のいく質問がうまれ、ご両親の胸の内を伺うことができると考えました。
移植後、献血への感謝を発信する山口雄也さん 2021年4月9日
ご両親は、雄也さんの生きた証がいつまでも残るよう、今も全てのSNSを公開しています。雄也さんの願いや遺志が、ご両親を、そして私たちを動かし、今も続いていることに感動しています。現在でも日赤の公式YouTubeチャンネルで公開されている本動画には、「自分の生きる使命を果たし、生きた証を残す」と肉声が遺されており、献血への協力や骨髄バンクドナーへの登録について強く訴えています。
日赤の活動記録は、仕事をいただける限りライフワークにしたい。これまで撮影したものは活動全体からすれば氷山の一角どころか針の先ほどなので、もっと沢山の現場を拾っていければと考えています 。
- 2019.01.10 掲載:【日赤動画】パレスチナ・シリア難民支援取材【映像制作部:元 安司】
- 2021.11.25 掲載:BS-TBS特番「日本赤十字社Presentsバングラデシュ避難民に寄り添って~海外救援看護師のルポルタージュ~」【映像制作部:元 安司】