祝・4年ぶり優勝!さまぁ~ずスタジアム

2024.10.16
CREATOR REPORT
津郷大吾
スポーツセンタースポーツ2部

BS日テレで放送している「さまぁ~ずスタジアム」、最初は単発特番でしたが、レギュラー化してから6年半ほどたちます。今は不定期ですが年間通して"プロ野球の巨人戦中継を盛り上げたいタイミング"でボチボチ放送させていただいてます。この番組は
「巨人軍の気持ちいい映像しか使わない」
「エラー、三振、敗戦、優勝を逃す的な不都合な情報には触れない」
ということをモットーにしています。
私は長く日本テレビスポーツ局で「平等なスタンス」で報道するスポーツ番組を担当していたこともあり、最初は「ここまで振り切って大丈夫か?」と放送後の反響が怖かったのですが、今は何とも思いません。さまぁ~ずさんも「それでいい」とおっしゃってくれています。アシスタントの宮崎瑠依さんもゲスト解説者の方々も誰一人「これ大丈夫?」とは言わないです。
たぶんさまぁ~ずさんという唯一無二の芸人さんがそういう雰囲気を作ってくださってるのでしょう。感謝です。巨人ファンの私からみてもノー・ストレス。そういう番組です。

さて。とはいえ、ここ数年の巨人の戦いぶりは、さまぁ~ずさんをはじめとする出演者・巨人ファンのスタッフ(幸いなことに割と多い)にとってストレスのたまるものでした(選手個々は素晴らしいし、巨人がずっと好きなことに変わりないですが)
ですが今年、2024年は久々に優勝のチャンスを迎えました。そんな中、9月27日、さまぁ~ずさんが東京ドームで生観戦することに。ならばいっそこれをそのまま放送してしまおう、という企画で10月8日の放送回となりました。
とはいえ、この観戦した日は優勝マジック「3」で迎えた重要な一戦。選手のみなさんが取材に応じてくださるか分かりませんし、負け試合になれば巨人ファンは見たくない映像になる・・・とリスクの高い収録となりました。なので作戦としては「8~9月の勝った気持ちのいい名場面VTR」 「なつかしのCS名場面VTR」を用意し、現場でさまぁ~ずさんに見ていただきコメントをいただく・・・など試合観戦以外の要素も収録し、負け試合なら気持ちいいシーンだけ編集して(負けたと言わずに)放送する・・・という、とにかく巨人ファンの気持ちに寄り添いに寄り添いまくるというものでした。

さまぁ~ずさんは、優勝争いの中、選手と直接からんで迷惑をかけたくない、と観戦のみのスタンス(自分たちが行くと目立ってしまう、ということを考慮してのことでしょう)。我々としてはそれでもインタビューに答えてくれる選手がいれば話を聞きたい。なので、アシスタントで熱狂的巨人ファンの宮崎さんと、巨人OBの村田真一さんに試合前の観客席でスタンバイしていただき、話してくれそうな選手にだけ接触するという作戦をとりました(もちろん巨人広報さんにお話しした上で)。
するとさすが村田さん、「菅野、ヒマやろ!」「監督、3分だけ!」とバンバン大物を呼びつけるのです!正直スタッフの方が「大丈夫か?」と身構えましたが、百戦錬磨の監督・選手たちは「メディアに協力するのも仕事」とばかりに気持ちよくインタビューに応じてくださいました。感謝感激!

そんな取材の取れ高も十分!あとは・・・巨人が勝利して、さまぁ~ずさんの生観戦風景という最大の見せ場を長く使わせてほしい!さあプレーボール。
試合を観戦するだけなのに笑いを次々と生みだすさまぁ~ずさん・・・。スタッフの気持ちは一つ。
「巨人、どんな形でもいい、勝ってくれ!勝ってこの映像をたくさん使わせてくれ~い!」

結果は・・・巨人3対1で勝利!番組にとってはペナントレース143試合で最も価値ある勝利となりました。またまた感謝感激!

さあ、あとは編集です。難しいのは、この時点では「巨人が優勝しないかもしれない」ということです。優勝するか否か、で編集の方向性も大きく変わります。
ありがたいことに巨人はこの翌日、あっさり4年ぶりのセ・リーグ優勝を決めてくれました。こうなれば話はカンタン。さまぁ~ずさんが大いに盛り上がっている映像を何の注釈も無く(優勝を逃したら「しかしこのあと色々あって・・・まあお察しください」とか、回りくどい表現を笑っていただく、という編集したハズです)ストレートにお見せすることができました。

ちなみにナレーターの日テレ・佐藤梨那アナウンサーも巨人ファンです。佐藤アナのあえて力を抜いた、ふわ~っとしたナレーションは、さまぁ~ずさんの番組の雰囲気にぴったりです。
時には「news zero」のセンターも務める素晴らしいアナウンサーが「"さまスタ"のナレーションは絶対にやりたい!」と言って何度もスケジュールをこじ開けて参加してくださってます。ここにも感謝感激!


佐藤アナが書き込んだナレーション原稿

そんなこんなで・・・この「巨人ファンだけが楽しめればいいという挑戦的な?野球バラエティ」の裏側を書かせていただきました。
巨人はこの後、クライマックスステージ、日本シリーズへと勝ち進んでいかなければいけません。でも!もし万が一どこかで負けても・・・あたかもハッピーな1年だったかの如く放送してしまうのがこの「さまぁ~ずスタジアム」です。もちろん日本一になればそれが一番いいのですが、そうならなかったとしても・・・出演者・スタッフが「なんとかかんとか、巨人ファンがノー・ストレスで見れちゃう番組にしてしまう」その努力を楽しんでいただければと思います。

次の放送は12月。それが「巨人日本一スペシャル」になりますように!
そうならなくても・・・ご期待ください。