解説放送って何!? 音声で テレビを"観る"お手伝い

2022.06.22
CREATOR REPORT
町野洋彦
メディアコンテンツセンター 字幕・解説放送制作部

解説放送って何!? 音声でテレビを"観る"お手伝い

視覚障がい者の方々にも、番組を楽しんでいただく放送サービスです。
本編の音声だけでは伝えきれない台本のト書きにあたる場面設定、出演者の表情、動きなどを
副音声による音声解説(ナレーション)で補足してお伝えします。

 

➤ 日本テレビにおける[解説放送]の歴史

1983年に『火曜サスペンス劇場』で初めて開始。
現在はドラマ・邦画・アニメ・一部バラエティー番組にレギュラーで解説放送を実施。
創設38年、年間およそ840本制作のノウハウ×実績のあるナレーター(声優)の表現力を活かした
オーディオコンテンツを制作。

解説放送を聴けるのは、新聞や録画時の番組表に[解]もしくは[多](*一部)のマークが付いた番組が対応番組です。
また対応番組には、冒頭に[解説放送]という告知テロップが表示されます。

テレビリモコンの音声切替ボタンを押して[副音声]に切り替えると、[解説放送]をお楽しみいただけます。
録画して利用する場合、 レコーダーの"録画モード"を[DR]にしないと聴くことができない機種もあります。

音声切替ボタンを押すと解説放送[副音声]が利用できます。

※リモコンの機種により、ボタン位置・切替操作方法が異なる場合があります。

[解説放送]描写ポイントの例

 

行動・仕草

表情➤例)ニヤリとする
思考➤例)...を企てる
行動➤例)ふと立ち止まる
日時➤例)翌朝とか深夜

日時・場面
人物説明

場面説明➤例)車の中
人物説明➤例)御曹司の○○、○○家の長男
テロップ➤例)テロップ読み、セリフテロップのボイスオーバー

テロップ
文字読み

文字読み➤例)手紙や看板の文字や新聞の見出し
人物描写➤例)見つめあう○○と○○、コーヒーカップを手にした○○

人物描写

[解説放送]の制作工程

 

▼ 素材受取 ▼

番組側とやり取り、映像データおよび素材受け取り

▼ 原稿制作 ▼

番組映像の流れを確認、解説ナレーションの原稿制作

▼ 収録[MA] ▼

解説原稿に合わせナレーション収録[MA業務]

▼ 試写[PV] ▼

最終チェック[PV業務]

日本テレビ[解説放送]対応番組(2022年6月現在)

 

放送日時 番組名 アイパートナー
月~土曜/11:45~11:55 キユーピー3分クッキング 佐藤 朱
水曜/22:00~23:00 水曜ドラマ『悪女(わる)
~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』
富沢 美智恵
水曜/翌1:29~1:59 東野・岡村の旅猿21 三戸 耕三
金曜/10:55~11:25 それいけ!アンパンマン 石丸 博也
金曜/21:00~22:54 金曜ロードショー
*不定期(主に邦画作品)
*作品による
土曜/9:25~10:30 ぶらり途中下車の旅 一城 みゆ希
松岡 由貴
土曜/22:00~22:54 土曜ドラマ『パンドラの果実
~科学犯罪捜査ファイル~』
江原 正士
日曜/5:55~6:15 日テレアップDate! こおろぎ さとみ
日曜/7:00~7:30
(読売テレビ)
日曜/6:30~7:00
(日本テレビ)
遠くへ行きたい 佐藤 朱
日曜/17:30~18:00 笑点 日本テレビ
アナウンサー
日曜/22:30~23:25 日曜ドラマ
『金田一少年の事件簿』
山口 由里子
日曜/翌0:55~1:25 NNNドキュメント 鈴木 賢

 

制作者として心掛けていること

  • セリフの流れを乱さないリズム感を大事にする
  • 形容詞を多用したり、心理描写はなるべくしない
  • 耳からの情報でイメージ変換を容易くできるよう、端的な言葉で区切る
  • 風景・人物像など、イメージしやすくなるよう多角的な描写を心掛ける
    (部屋の間取り・髪型・背格好・服装・行動の癖)
  • BGM・SE・決まりジングルは番組側の演出と捉え、邪魔にならないよう配慮する

解説放送でアクセシビリティを高めることはSDGsの達成にもつながるでしょう。
さらに、通勤中や家事をしながらなど、映像を見られない状況下でも"耳"でお楽しみいただけます。
福祉の観点からも、今後充実されることが望まれており、社会貢献度の高い業務だと感じています。ぜひ一度お聴きください。