インドネシアの恋愛ドラマ撮影隊を愛媛・広島に初誘致!総務省事業2022サポート奮闘記

2023.04.27
CREATOR REPORT
田中 健暁
映像事業センター 地域共創・海外事業部

地域共創・海外事業部の田中です。

アックスオンでは海外畑1本で仕事を続けており、報道では外国報道部、コンテンツ番販ではアジア向けアニメセールス、そしてここ数年は日テレのネット局と連携し地域活性化につながる海外向けの事業企画や営業交渉を行っています。

そんな中、5年前から携わっているのが総務省の「放送コンテンツ海外展開強化事業」
これは
「海外において効果的な発信が可能である放送コンテンツを活かし、日本の各地域(農産品・地場産品、文化等)に対する関心・需要を維持・喚起するため、関係府省庁等とも連携しながら、日本の地域の魅力を紹介する放送コンテンツを制作・海外発信する取組を推進する事業」
です。
今年は愛媛の南海放送さんとインドネシア向けに愛媛県PRを積極的に行う番組制作・事業企画を共同で実施しました。(筆者にとってインドネシア向け事業は2018年からで、長いお付き合いとなっております)

日尼共同制作ドラマ:Rindu bukan Rinduトレイラー
https://youtu.be/w1SCuS25zck

たいていの海外TV局との共同番組制作は、各地の名所・名物・名産品を巡り歩く、紀行モノ・バラエティ番組が多いのですが、新作・単発番組は海外TV局でも当然いい放送枠は得られず、日本のロケ地の魅力もなかなか伝わりづらいという悩みがありました。

こうした悩みを解決すべく、南海放送と連日協議を重ね、インドネシアの著名な実業家と共に高視聴率ドラマを何本も放送する地上波SCTVとの交渉に漕ぎつけ、コロナ水際対策緩和のタイミングを見計らっての日本ロケ実施合意に成功しました。

放送枠はどのドラマも高視聴率を獲得している夕方の時間帯、ロケ地は世界にも知られた「しまなみ海道」を有する愛媛と広島に決定しました。
約10日間のロケで総勢約20名が来日することとなり、ロケ前にはジャカルタ開催の「日本祭」で番組制作発表イベントを開催!
・・と、事業開始数カ月は恐ろしいほどサクサクと物事が進んでいきました。

じゃかるた日本祭りでの
愛媛県PRと番組制作発表会見の模様

・・が、これで簡単には終わらない(終わらせてくれない)のが海外連携事業。
ここから怒涛のトラブルが襲ってきました・・ その一部を挙げると・・・

  • 現地に向かうクルーの総数が20名⇒27名に
  • ドラマの監督が出発直前に私用で来日不可に
  • 現地で急に借りたい機材、買いたい小道具、通訳増員などのリクエストあり
  • エキストラが足りないので南海放送・渡部執行役員と田中が急遽駆り出される(それぞれレポーターと警官役)
  • 編集と編成枠調整が難航し、放送初回がどんどん押して事業終了日直前にようやく放送(猛省)

人生初エキストラ警官役の筆者(左側)衣装がなんとも・・

心身ともコテンパンになるイベントの連続で疲労困憊、生みの苦しみを経てドラマの放送が開始。
ただ、ひとたび始まれば並びトップの高視聴率を叩き出し、愛媛・広島の魅力を存分にインドネシアの幅広い視聴者層に対して伝えることができました。

ロケ風景
貸切にしたJAL機内、病院の手術室、市電

インドネシアクルーや演者は本当にいい人たちばかりで、全員がプロ意識をもって撮影に臨み、非常にいいチームワークで仕事ができました。
また演者は皆200-300万人のSNSフォロワーを有していたことから、彼らに日本の食や名所を積極的に発信してもらったことで、幅広く愛媛・広島PRをしてもらうことができました。さすが世界第4位の人口約3億人を抱える国です。

こうした官公庁系の事業は次年度以降の自走化も求められるため、インバウンド・アウトバウンド両方において愛媛・広島とも独自に外貨を獲得する戦略がさらに求められていきます。
南海放送では今年度からイベント・文化催事など東京や海外を視野に入れたビジネス案件を強化する施策を発表。
こうしたネット局の動きに呼応・連携し、アックスオンも一層壮大な企画を一緒になって策定実現させることが、今後のアックスオンの「外貨獲得」を達成する大きな要素になると考えています。

引き続きたくさんのネット局を巻き込んだ事業企画を実現させるべく、地域共創・海外事業部は今後も走り続けます!

インドネシア演者との会食の様子&成田空港での別れ
左から筆者、SCTV取締役David氏と南海放送渡部執行役員