
NHK総合「JOKE~2022パニック配信!」8月25日23:45~24:30 OA

「JOKE~2022パニック配信!」(NHK総合)
8月10日 22:00~22:45(OA済み)
8月25日 23:45~24:30
それは、新型コロナウィルス対策のための緊急事態宣言が明けた6月のある日。
世の中は自粛が明けたと言っても、コロナウィルスが根絶された訳でもなく、おっかなびっくりと日常を取り戻そうとしている最中だった。水田伸生監督と脚本の宮藤官九郎さんが去年から温めていたシナリオを、NHKで制作するという話になった。
4月。緊急事態宣言が発動され、日本中のドラマの撮影がストップした。6月になり、ようやく万全の対策を練ったうえでの連続ドラマの撮影が再開したものの、セットと私有地の中でのロケに限られていた(それは8月現在もほぼ変わっていない)。あとは、リモートドラマというスタジオの中の人数を極限にまで減らしたスタイルで撮影されたドラマくらいのものだ。
脚本の世界は2022年の近未来の設定。テレビを干された芸人が、ライブ配信に活路を見いだし、人気を得ていた。ライブ配信・宅配サービス・リモート中継など、コロナ禍で普及したものが2年後のこの世界ではすっかり定着している。
主人公はテレビを否定している芸人。彼の物語を公共放送のNHKと民放テレビ局の制作会社のAX-ONが作る。コロナは怖いが、ひきこもることなく、前を向いて進んでいかないといけない。
これは挑戦なのだ。
主人公を演じるのは生田斗真さん。テレビ・映画・舞台と縦横無尽の活躍を見せていたが、その生田さんもコロナ禍の影響で、仕事の延期・中止に見舞われていた。スタッフも同様、スケジュールが滅茶苦茶になっていた。
舞台はほぼ、主人公の部屋での密室の撮影。45分間、生田さんは出ずっぱりだ。実数4日間の撮影。予算上、通常以上のハイスピードの撮影が強いられる。
水田監督と生田さんは話し合い、リハーサルを重ねることにした。リハーサルもマスク・検温・消毒・換気を徹底し、一番大きなリハーサル室で行うことにした。生田さんはリハーサル初日に、膨大なセリフを全て頭に入れてきた。水田監督もそれに応えるかのように、ハイスピードかつ的確に準備を進めていく。スタッフも自粛していたエネルギーをぶつけるように、脚本を映像に残していく。
私たちは、物語を作るために生きている。不要不急なものかもしれないけど、なければこんなつまらない人生はない。
撮影初日、東京の新規感染者は再び200人を超えた。ガイドラインを作り、検温、マスク、フェイスシールド、いくら対策を練っても、感染経路が不明な人はいる。それで、開き直れるぐらいの心の強さはない。
もし、感染者がでたら...。日々、脳裏をよぎる。こんなに日々の撮影に緊張したのは、プロデューサーデビューした、数十年前以来じゃないか...。
撮影は想像を超えたスピードで進んでいった。リハーサルの成果だ。キャストもスタッフも、シーンの狙いがわかっているから、スムーズだ。水田監督はエネルギー全開で撮影現場を引っ張っていく。
こうして、撮影は予定よりはるかに早く終わった。そして感染者を一人もだすこともなかった。
CMのない緊迫の45分間。ノンストップ・コメディ・ホラー・サスペンス!全てのエッセンスが詰まった、水田伸生・宮藤官九郎コンビの世界を堪能してください。そこには、キャスト・スタッフのドラマが作れる喜びが映っているはずです!
記念撮影も感染対策を万全にして行った。2020年7月19日。この日付を入れて。
肩を組むなど接触をさけてもらい、心配な人はマスクをつけたまま、自分の表情を残したい人はシャッターを切る寸前にマスクを外す。プリントされた写真には、満面の笑顔のキャスト・スタッフが写っていた(当然、目のみの人も多数)。
いつか、全員マスクを外して、集合写真を残したいものです。そんな日を心待ちにして。
AX-ONスタッフ
演出:水田伸生
CG:西村了
プロデューサー:仲野尚之