来場者がイベントを最大限楽しめるように!『GRAND CYCLE TOKYO』でリアルタイム字幕と窓口サポート対応を行いました!

2026.02.06
CREATOR REPORT
若月将志
メディアコンテンツセンター字幕・解説放送事業部
阿部ひより
メディアコンテンツセンター字幕・解説放送事業部

昨年12/7(日)に青梅NOP区画で行われたイベント『GRAND CYCLE TOKYO』にて、字幕・解説放送事業部もリアルタイム字幕と窓口サポートを担当させていただきました。

◎『GRAND CYCLE TOKYO』とは?

環境にやさしく、健康にもよい自転車をさらに身近なものとするため、自転車に関する様々なイベントを総合的に進める東京都の事業です。今回は「レインボーライド2025/マルチスポーツ」に参加させていただきました。(以下、『GCT』と略します)

■GCTイベントリアルタイム字幕について

今回GCTに字幕を付けることになった背景として、聴覚障がいがあるデフリンピック選手のステージイベント参加がありました。一部のプログラムしか字幕がないと、途中から内容を追いづらくなり、十分に楽しめなくなる可能性があります。そこで、こうした情報の段差をなくすため、字幕・解説放送事業部から提案を行い、ステージイベント全編の字幕付与の実施が決定。これまで培ってきた、リアルタイム字幕のノウハウを武器に臨みました!

そもそものリアルタイム字幕とは、主にスポーツや情報・報道の生放送番組を対象とし、耳が聞こえにくい方や音の出せない環境下でも番組を楽しんでいただけるよう、リアルタイムで字幕を付与・放送するサービスです。 今回はステージイベントですが、同様に画面越しだけでなく、会場その場でのリアルタイム字幕があれば、多くの方へ内容を届けることができます。

複数名による同時発言が生じる場面では、AI音声認識の精度が著しく低下し、生成される字幕に多くの誤変換や脱字が発生してしまいます。その為、会場の映像・音声を視聴しながらリアルタイムで、数名で文字を連携して入力し、制作。正確かつ、理解のしやすい字幕を、AIよりも精度の高い技術で制作することができます。

今回のイベントではステージ横に2台モニターを置き、そこにリアルタイムで字幕を表示。観客席の最後列からも視認できるフォントサイズに何度も確認して調整し、太陽光の当たり具合も考慮して、文字色は白よりも黄色が見やすいなど、文字の大きさ、フォント、色をできるだけ見やすく表示するよう努めました。

また、GCTのパンフレットの方にQRコード載せ、読み込むとスマートフォン上に字幕が表示されるという新しい試みも実施しました。

ステージイベントの様子
字幕モニター
■現場風景
字幕の作業現場

現場では進行状況をインカムで確認しつつ、プログラムの変更に伴う尺の調整など、イレギュラーが起きた際に迅速にチーム共有することや、台本に記載のない急遽、イベントで登場されたゲストの方々の名前を正しく表示させるため、運営スタッフに確認を行うなど、リアルタイム制作の進行を行いました。

プログラムの1つにあった「それいけ!アンパンマン ショー」にも字幕付与!

家族連れで大盛況の「それいけ!アンパンマン ショー」
お子さまにもわかりやすいようひらがな・カタカナで表示

今回のイベントにご出演されました、東京デフリンピック・4×100m金メダル、100m銅メダルの佐々木琢磨選手がイベント出演後、見学に来られました!関係者の方からも「字幕などのバリアフリーが普通にある環境になることを願っています」とお言葉もいただきました。

字幕ブースを視察する佐々木選手
■窓口サポートの内容
障がいのある方や海外の方に対する窓口対応
  • デフリンピック選手が出演するイベントがあり、ろう者や難聴者の来場が予想されたこと
  • 外国人観光客が多いエリアのため、日本語以外を話す来場者も多いと予想されたこと

以上の2点により、コミュニケーション支援ツールを活用したサポート内容を提案しました。

11月中旬 打ち合わせ①

使用するコミュニケーション支援ツールや、障がいのある方と接する際の心構えについて打ち合わせを行いました。 相手を理解し、一人ひとりに寄り添う姿勢で挑もうという気持ちを持ちました。
また、聴覚障がいや視覚障がいがある方、海外の方とコミュニケーションをとる際の留意点について、自身の経験や、聴覚障がい者の陸上大会の情報保障を担当した際に得た気づきをもとに、工夫できることについて話し合いました。

12月 本番3日前 打ち合わせ②
イベントマニュアルなど、必要な資料がそろった段階で最終打ち合わせを行いました。
当日の会場内イベントブースの確認に加え、使用予定のコミュニケーション支援ツールの操作確認を行いました。
本番前日
設営スタッフから会場内の状況についていろいろと共有を受けました。
スタッフ側の注意点だけでなく、来場者が気になりそうな点(窓口で聞かれそうなこと)を事前に確認できたおかげで、不安感なく本番を迎えることができました。
本番当日
快晴で、絶好のサイクリング日和でした!
来場者数は想定よりも多く、予想していなかったお問い合わせをいただくこともありましたが、周囲の運営スタッフと細やかに確認を行いながら、無事に終了することができました。
窓口サポートは、当日の来場者状況から判断して、
  • 耳マークの掲示
  • 筆談ボードの使用
  • コミュニケーションボードの使用
  • 手話勉強中バッジの着用(一部スタッフのみ)
を行いました。
窓口サポートツール

また、早朝に会場内の配置確認やイベント確認を行うことができたため、来場者へのスムーズな情報提供ができたと感じています。

私個人としては、手話でコミュニケーションが取れるという強みを生かして、レインボーライドに参加したデフ選手(ろう者や難聴者の選手)の、フィニッシュ後のサポートを行いました。
業務内容は、会場内のスタッフがデフ選手に伝えたいことを翻訳し、デフ選手側の要望をスタッフにお伝えすることです。

どの選手もとてもフレンドリーに接してくださり、記念写真のカメラマンも任せていただきました。
また、「デフリンピック選手トークショー」に出場する選手の対応も行いました。周りの方のサポートもあり、無事に終えることができました。

今回のイベントに参加して、常に「予想外」を考えて対応すること、それに対応するための準備の大切さを実感しました。打ち合わせの際など、イベント参加メンバーから提案される物事の視野の広さには、気づかされることが多々あり、大変学ばせていただくことが多い時間でした。
イベント中は、たくさんの笑顔に直接触れることができ、普段の業務とはまた違った楽しさを感じる時間でした。
今回は使用機会がありませんでしたが、多言語に対応できるアプリも用意していたので、いつか実践できる機会があればいいなと思います。