記録映像収録からニュース報道へ~大成建設高速道路工事映像

2025.01.09
CREATOR REPORT
永島雅也
クリエイティブ事業センタークリエイティブ1部

高速道路の上を歩くなんて、学生の時に愛車ソアラでコツンと追突されたとき以来だなぁ...などと三十数年前の思い出をよみがえらせながら現場入りした私。「高速道路リニューアルプロジェクト」の工事に密着して、その工程を完パケにするというのが今回の案件だった。
大手ゼネコン大成建設が自社で開発した機材を使い、東北自動車道の補修工事をするのだが、「工事をしながら工事渋滞を減らす」という一見矛盾した命題があるという。
なんだか面白そう。

 

新幹線とタクシーを乗り継いで、到着したのは東北自動車道・矢板インターチェンジの少し手前にある「鬼怒川橋」。行楽シーズンともなれば、工事がなくとも渋滞が頻発するポイントなんだとか。
有名な温泉地や日光なども近いから、そりゃそうだろうなと納得しつつ、作業用足場から高速道路上に下りる。と、上り1車線が封鎖されて、全長20メートルほどの大型機材が設置されていた。(写真下参照)
この白い巨体こそが、新たに開発して特許も取ったという新型機材。その名も『半断面床版取替機』。
そもそもこの手の工事は2車線を通行止めにするのが当たり前なのだが、4車線しかないこの場所で2車線封鎖したら渋滞必至。悩んだ末、新たに機材をつくり、1車線だけで工事ができるようにしたというのだ。
「へえー」と感心。


1車線を生かしたまま、工事を行う

そしてさらに驚かされたのは、この大型機材を毎週金曜日に完全撤去して、混雑する土日は4車線を通行可能にしているということ。この巨大な機械(写真上参照)を毎週分解して運び出しては、次の月曜日にまた搬入して組立てているなんて、すごい企業努力。現場では「週末開放」と呼ばれていて、ゼネコン業界でも画期的な工事手法なんだとか。「最近の道路工事ってこんなに利用者ファーストなんだ」とひたすら感心。
さらに、この工事は意外な副産物も生んでいて、土日は工事が休みになるから、現場で働く社員や業者さんが「完全週休二日」になるのだ。かつては3Kの代表格だった工事現場にも「働き方改革」が...。業界ではとにかく異例ずくめの工事なんだとか。


週末のために機材撤去中

「高速道路の老朽化問題」「渋滞対策」、そして「働き方改革と業務の両立」、これは「社会性」もあって「ニュース性」もあるなぁ。
現場を見せてもらいながら「へえー」を連発していた私。以前は日本テレビ報道局でデスクをしていたこともあり、企画書を書いて報道局に打診したところ、快諾していただき、『every.サタデー』や『ストレイトニュース』で2分半の完パケでオンエア。クライアントの大成建設や、発注元のNEXCO東日本にも、「工事のメリットを世間に知ってもらうことができた」と、大変喜んでいただけた。

「渋滞対策」工夫で負担軽減 高速道路"注目のリニューアル工事"(2024年11月23日掲載)|日テレNEWS NNN