<新人レポート>【音の隙間を見つめ、映像を分解し、言葉を探求する】~解説放送の世界~

メディア事業センター 字幕・解説放送制作部に配属され、「解説放送」担当となりました。私にとって、"解説放送の世界"は謎に包まれており、全てが新しい経験でした!
解説放送とは、音声を「副音声」に切り替えることで視覚に障がいのある方にもテレビをより楽しんでいただけるように、場面の説明、出演者の動作や表情をナレーションで補足する放送です。
これが、「解説放送」に来て個人的に感じた印象です。
解説放送は、主音声と被らない箇所に、解説ナレーションを入れます。
私は普段、無意識のうちに、人の会話や生活の音、セリフ、音楽... とにかく何であれ、音の有る世界に注意を払って生きてきました。
そのため、音の隙間にこそ注意を払って行う作業は新鮮で、普段とは異なる意識の向け方は、とても難しく感じました。
また、解説の原稿を書く上で、セリフやナレーションでは補えない映像から伝わる情報を、前後のつながりを考えながら必要な情報は何かを考えなければなりません。
そのためには、完成しているひとつの映像の、どの部分から自分は情報や感情を得ていたのかを知る必要があります。
自分の頭の中で一度映像を分解し、セリフだったのか、表情だったのか、撮り方だったのか、と考えているとき、自分が自然に受け入れてきた映像が、様々な要素の集合体であることに気付かされました。
そして、限られた音の隙間の中で必要な情報を伝えるために、より適切な言葉を選びます。
番組や作品の文脈を読み、流れや表情の絶妙なニュアンスを、客観性をもった上で、限られた尺の中で、できる限り言い当てに行く言葉探しは、日本語の奥深さを実感し、自分自身を豊かにする、お気に入りの作業です。
配属される前までは、謎に包まれていた解説放送。
この世界は、本当に面白い。
見たことのない角度から映像をとらえ、新たな見方を教えてくれる素敵な場所で働けることを、とても嬉しく思います。
ここからは、私が経験した研修の一部をご紹介いたします。
*番組の映像を確認しながら、解説ナレーション原稿に固有名詞や情報の取違いや不足している点などがないか、確認を行う作業
原稿作成研修*番組の映像を確認しながら、人物の表情や行動、場面転換、テロップの読み上げなど、主音声だけでは補えない情報を解説ナレーションとして原稿にする作業
MA収録時のディレクション研修*解説MA収録。アイパートナーに解説ナレーション原稿を読み上げていただき、1、2chの主音声とは別に、3、4chに解説ナレーションと主音声をMIXして収録する作業
配属から様々な番組の解説MA収録に立ち合わせていただく中で、常に自分がディレクションをすることをイメージしながら見学に臨んでいましたが・・・、
ついに、ディレクション研修がはじまりました!



最後の確認を行い、解説MA収録が終了
この研修を通して、「東野・岡村の旅猿18」アイパートナーの三戸耕三さんや、ミキサーの方、チェックしてくださった先輩方、スタジオに漂う人の優しさと柔らかな空気が支えとなっていたことを実感しました。
当たり前ではありますが、たくさんの人の協力によって支えてもらっているんだな、ということをひしひしと感じることが出来ました。
時間もかかるし、コミュニケーションもスムーズとは言えません。まだまだ学ばなければいけないことが山ほどあります。
周囲の人への感謝を忘れずに、責任をもって、ひとつずつ成長していきたいと思います!