
解説放送ディレクターとしての新たな一歩、スペシャルドラマに初挑戦!

今まで「東野・岡村の旅猿」「キユーピー3分クッキング」を担当し、現在は「ぶらり途中下車の旅」「NNNドキュメント」の解説放送ディレクターとして日々業務に励んでいますが、まだ挑戦できていなかった分野が...。
ドラマや映画など、「物語」の作品です!
目の不自由な方々に、テレビをより楽しんでいただくために、本編の音声だけでは伝えきれない、場所や人物の動き、表情を副音声によるナレーションで補足する放送サービスです。
本編の音声(セリフやナレーションなど)の隙間の尺で解説を入れていくため、端的に伝える言葉選びが大切になります。
私が今回、
初めてスペシャルドラマの解説放送ディレクターとして担当した作品は、「ノンレムの窓2025・新春」。
アイパートナー(解説放送のナレーター)は、山口由里子さんです。
山口由里子さん(右)と筆者
原稿を書く際には、
台本を参考にしますが、ト書きをそのまま、というわけにもいきません。尺が限られているため、必要な情報を取捨選択しつつ、物語の展開に合わせて、ナレーションを考えていきます。
これまで、様々な先輩方の原稿に触れ、解説MA収録に立ち会ってきましたが、いざ自分が担当するとなると、その難しさはひとしお。
原稿作成においては...
普段担当している番組と基本的なことは変わりません。しかし、ドラマ作品ならではのポイントがいくつか加わるため、悩みながら新鮮な気持ちで向き合いました。
登場人物の初出をどこで解説するか、聞き心地を考慮した主語の置き方、解説ナレーションが立て続く場合、文頭文末の処理の仕方でスムーズな文章にする、など、細かい文章の調整を丁寧に行いました。
また、本編の中の「音」、BGMやSEだけでなく、足音や車の音なども、場面を演出する要素となっているため、出来るだけ活かすことができるよう、タイミングを図りながらナレーションを入れていくのがとても難しかったです。
物語の最初で出てきたアイテムが、後に重要になったりもするので、物語全体の展開を意識して原稿を制作するのもドラマ作品ならではの難しさだと感じました。
先輩方からのチェックを受けつつ、年末から年始にかけてじっくり頭を悩ませ、自信の持てる原稿を作成することができました。
この場面はこういう風に読んでいただこう、などと、自分の中で色々と想定しながら臨みましたが、緊張もあり、イメージを的確に伝える指示を出すのに手間取ることもありました。
緊迫感のある場面や不穏な場面、それぞれのシーンに合わせて、声のトーンを変えていただき、淡々とした解説ではなく、ドラマの雰囲気をより伝えることができるようなディレクションを心がけました。
この文言は無い方がむしろ分かりやすいかも、この言葉は伝わりにくいかも、など、実際にアイパートナーの山口さんに読んでいただくことで気付ける部分もあり、その都度より良い原稿に修正しながら、無事収録を終えることができました。
目指せ!連続ドラマの解説放送ディレクター!