コツコツと目の前の仕事を8年目、からの「演出」デビュー~「ジャイアンツカップが教えてくれたこと」で得た学び


チャンスは突然訪れました。
という地上波番組で演出をやらせてもらえることになったのです。入社以来、ただただ目の前の仕事にひたむきに取り組んできた私。役職・肩書などにはあまり興味がないのですが、ぼんやりと演出という肩書には憧れを抱いていました。
とはいえ何をするポジションかいまいちよく分かっておらず、
ジャイアンツカップとは、5つのリーグからなる1615チームの頂点を懸けて行われる、中学硬式野球日本一決定戦です。中学版甲子園のようなイメージです。
私が担当した では、今年WBCで世界を沸かせ、ジャイアンツカップOBでもある岡本和真選手や宮城大弥選手に当時を振り返ってもらったり、中学野球大好き芸人のレッド吉田さんが大会直前の選手たちの練習に密着したりジャイアンツカップ第一回大会に出場した、五十嵐亮太さんが決勝戦を独自視点で解説したりと、盛りだくさんの内容で、彼ら彼女らがジャイアンツカップを通してどんなことを学んだのかをドキュメント風に表現しました。
個人的に印象深かったのは、チームでただ一人の女子選手のエピソードです。小学生の頃は強力なバッティングで4番だった彼女。負けず嫌いな性格から、中学生になっても体格差のある男子選手たちの中で実力を発揮し、見事大会メンバー入りを果たしました。インタビューしていても女子選手であることに対して一切言い訳をすることはなく、ひたむきに練習する様子に背筋が伸びる思いでした。試合本番では代走として出場するも初戦敗退。それでもあの走りに3年間の思いすべてをかけていたと思うと...編集しながら目頭が熱くなりました。放送を見てくれた知人たちからも、「感動した」「応援したくなった」との声をいただきました。
出場32チームに事前アンケートを実施し、そこからネタになるエピソードを選定。
していて、アンケート用紙だけでは当然決めきれず、全チームに電話取材をしました。その結果、5チームを取材することになりましたが、2チームが台風直撃によりロケ日がギリギリまで決まらない状況に...
など、考えても埒が明かない状況。
結局自分の直感を信じて、予定していた2チームの撮影日をずらしていただき、ロケすることに。
担当の鈴木貴文ディレクターが頑張ってくれたおかげで面白い取材内容になりました。
大会期間中は、事前取材した5チームに密着。制作の都合で言えば、この5チームが勝ちあがって直接対決したり、あわよくば決勝に行くチームが出たら面白い...。
しかし、スポーツの世界は甘くありません。
VTRを一つ一つのエピソードとして終わらせるのではなく、ジャイアンツカップという一つの大会として見せることの難しさを感じました。
ディレクター陣がロケを頑張ってくれたおかげで撮れ高が多く、オンライン編集(本編集)前日時点で、全体尺が4分オーバーする事態に...
ディレクターのオフライン編集(仮編集)の映像を見ると、きっとこの内容は入れたかったんだろうなと感じるものが多く、 です。

振り返れば苦戦してばかりでした。担当する前に抱いていた演出という仕事はキラキラしたイメージでしたが、 ・ 、 、 など、一夜漬けではどうにもならない日頃からの積み重ねが大事なんだと痛感しました。
しかし、悪戦苦闘する中で楽しかったこともたくさんあります。
中でも、昔からずっと大好きなMr.Childrenの曲を、ふんだんに盛り込むことができたことは一生の思い出です。
放送後、友人や恩師などたくさんの方々から連絡をいただき、地上波で放送することの大きさを感じました。また、会社の先輩方からは様々な感想・意見・アドバイスをいただき、すごく励みになりました。