〈初カンヌ〉MIPCOMに行ってきました!

2024.11.25
CREATOR REPORT
皆川滉太
クリエイティブ事業センタークリエイティブ2部

一昨年、昨年に続き、今年もMIPCOM内で開催される「JAPANESE FORMAT SHOWCASE ~TREASURE BOX JAPAN~」の映像制作とイベント進行を我々で担当させていただきました!
私にとって初めてのMIPCOM参加でしたが、 昨年参加したシンガポールのATF(Asia TV Forum&Market) (レポート記事はこちら)とは比べ物にならないほどのスケール感と熱気でしたのでそちらについてもみなさんにも共有させてください!

そもそもMIPCOMとは?

毎年10月、フランスのカンヌで行われる世界最大級のコンテンツマーケットで 世界中から注目される見本市です。今年は日本からも各局各社およそ20社が参加しました!

〈JAPANESE FORMAT SHOWCASE ~TREASURE BOX JAPAN~〉

今回は昨年の全6局の登壇よりさらにパワーアップし、全9局によるプレゼンテーションがおこなわれました!日本でもお馴染みの番組から、フォーマット化を考えて生み出された番組まで、様々な"イチオシコンテンツ"が世界各国のバイヤーに向けてアピールされました!

私はそんな超大切なステージがトラブルなく完遂されるようフランス人現地技術スタッフとともにサブへ入りキュー出しをしておりました。
拙い英語と細かい要望ではじめ少し距離を置かれた雰囲気がありましたが、丁寧に少しずつ会話しながら進めていくと色々とアレンジを加えてくれたり、スタッフ同士で会話してくれたり(全フランス語なので内容は不明、たとえ愚痴でも。)、
本番はノートラブルで無事終了。
クライアント様からも終演後お褒めいただけ、イベント自体も昨年の倍近くである約300名の来場者となり大成功で幕を閉じました!

最後に、ここからは、現地レポートです!
様々なブースを周ったり、いろいろなステージを観たり、現地に行くことができたからこそ感じたことを私と竹野P、それぞれの目線でまとめましたのでよければご覧ください!

<皆川>
★偶然生まれるヒットフォーマットは一握り

そのフォーマットを見てバイヤーが「真似したい」「これならすぐできそう」と思うかが大切であり、どれだけ日本で知名度がある作品であっても、上記の感情を掻き立てられなければなかなか難しい世界であるように感じました。
低予算ですぐ真似できる、極端に言えば”スタジオでなく家庭の中や自宅の庭でもトライできる"くらいのシンプルさが必要であるように感じました!

★"REBOOT"が鍵となるか

講演中に"REBOOT"という言葉を耳にしました。昔からあるようなコンテンツを今風にアレンジする、という意味合いです。
 どうしても新しいものを、今まで見たことのないジャンルを、と考えてしまっていましたが、意外とヒントは近くにたくさん落ちているのかなと感じました!

★日本は"Scripted(台本のあるドラマや映画など)"だけでなく"Game Show"も注目されている?

"MIPCOM BUYERS' AWARD for Japanese Drama"で『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』と『海のはじまり』(フジテレビジョン)がWグランプリに輝いたことは日本でも話題になりましたが、「マネーの虎」や「SASUKE」、近年では「ドキュメンタル」や「FREEZE」などのゲームショーが大注目を浴びています。特にPrime Videoでは、コメディーやゲームショーなど一般に"バラエティ番組"といわれるジャンルが求められているという話題が 講演中にのぼりました!

<竹野P>
★「真似」か「オリジナル」か? フォーマット販売の契約はまだフォーマット化されていない!

フォーマット販売に関する法律はまだまだ整理が必要な状況であるとのお話を伺いしました。
 何をフォーマットとするのか、どこからがオリジナルなのか、制作者はどの様に"これはうちの真似ですよね?"と言えるのか、それに対峙する国際的な取り決め、基準はまだ整備途中とのこと。
だからこそ最初の販売時にここだけはゆずれないこと等をしっかり持っておくことが大事であり、さらに世界と戦える著作権のプロからの知見を得ることがとっても重要。とのことでした。この点はこれからもさらに意識していきたいと思います。

★どんな地域でもフィットすることが大事!

似たような環境でできるもの、どの地域・国でもできるものが"フォーマット"として売り出すには今改めて大事だというお話がありました。更に、逆に、フォーマットを購入して自国でつくる際も、いかに自分たちのものとしてタイトルや文化に合わせたものにできるかが重要であると。
いくら良いと思って高い権利料を払ったとしても、それが自国でヒットしなければ意味がないですしね。

★売り先はどこか?NETFLIX かPrime Videoか?

NETFLIXは圧倒的にDating番組、Prime Videoはコメディ、というように、配信元によって投資していきたいジャンルが全く違うので、どこに声をかけていくのか、自分たちが目指したいもの、つくっていきたいものをちゃんと整理して世界で戦っていく必要性を感じました。
また、Disneyの商談ブースはアポイントが必要で、単なるビジターは、ブースに入ることもお話を聞くこともできません。自社コンテンツを守る姿勢と同時にブランドに対するプライドを強く感じ、立っているフィールドの違いを感じました。
ちなみに、NETFLIXは1位:Dating、2位:Cooking、3位:Music、 Prime Videoは、1位:Comedy、2位:Scripted、3位:Game Show  でした!