主人公は東京オリンピック日本代表、体操女子のエース村上茉愛選手。前身の番組「アスリートの魂」で初めて取材したのが、6年前、村上選手が高校3年のときでした。18歳で大きな挫折を経験し、殻を破ろうともがき続け、リオデジャネイロオリンピックに出場。世界の頂点にも上り詰めました。
その挫折に立ち会い、番組で紹介したときには、現在の村上選手の活躍はまったく予想もできませんでした 。しかし、これが縁で東京オリンピックの直前、村上選手の集大成のときに、私がディレクターとして彼女を主人公とした番組を制作できることは、この上ない喜びです。

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2021.07.15
集大成の東京五輪へ NHK「スポーツ×ヒューマン 体操・村上茉愛」

中瀬博治
スポーツセンター スポーツ2部
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“戦友“と誓いのメダルを
体操 村上茉愛
NHKBS1
7月19日(月)夜9:007月23日(金)に開幕する東京オリンピック、そしてパラリンピック。1年待ちわびたスポーツセンターが一丸となり、日本テレビやNHKなどで多くの番組制作にあたります。
その先陣を切って、当センターがNHKと制作した2番組が7月19日(月)に放送されます。1つは、夜7時放送の「熱血バスケ スペシャル」。もう1つが、夜9時放送の「スポーツ×ヒューマン」です。本記事では「スポーツ×ヒューマン」について語らせてください。 -
2021年オリンピック日本代表選出内定時に、番組スタッフから村上選手に贈った花 -
体操ニッポンと言われ、これまでオリンピックで過去最多98個のメダルを取っている体操競技。しかしその中で女子は1964年東京大会の団体1個しかありません。
本番組は、前回2016年のリオデジャネイロ大会で4位だった団体メンバーの村上選手、そしてキャプテンだった寺本明日香選手、お互いを“戦友” と呼び合う二人の絆に支えられた5年間の軌跡を見つめた44分のドキュメンタリーです。
コロナ禍で取材は難航を極め、番組として成立するのだろうかと悩みました。ところが、これも縁というものでしょうか、長く体操を取材した経験からNHKの記者や中継部の担当と顔見知りになり、様々な協力をいただいて何とか形にすることができました。語りは、主人公と同世代の森川葵さんにお願いしました。村上選手と同じく髪をショートカットにされてビックリ。感情をのせた声にもご注目ください。
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「アスリートの魂」から始まった村上選手とのご縁は、私の人生も変えました。当時、情報番組を担当するセンターにいた私が、今スポーツセンターにいて、プロデューサーとしてディレクターとして現場に立ち続けている。これまでも「縁」で仕事を続けてきましたが、ここまでの転機はなかったように感じます。1つの企画書、1つの出会い、何かの「縁」で人生が変わるかもしれません。
村上選手の座右の銘は、「できるできないではなく、やるかやらないか」。最初にできないと諦めるのではなく、やるかやらないかで全部決まる。自分がやると思えば、できるできないは関係ない。まずはやるというのを決めて、そのあとにできるできないを決めればいいのだから、まずはやるか、やらないか自分の意思を持てと小学生のときにコーチから言われたそうです。
やり続ければいつかいいことがある。
集大成の演技を、東京で。
その先には、きっと・・。
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