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2018.05.07

VR専門チーム発足!世界のVR最前線とは

北村琢

北村琢
コンテンツ事業センターイノベーション事業部

    • コンテンツ事業センターイノベーション事業部では、今年2月より、VR専門知識を持った3人が加わり、新たに「VR制作チーム」が発足しました。VR元年と言われた2016年、様々な進化を遂げ、日本では次第にコンテンツが増えてきている段階にいます。

      そこで、世界の最先端VR事情を調査すべく、VRチームの北村が今年4月に開催されたSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)へ視察に行ってきました。なぜ私たちがVRに取り組むのかを含め、お伝えします。

    • SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)視察
      VRを題材としたスティーブン・スピルバーグ監督の最新作「レディ・プレイヤー1」のウォールペイントがSXSW会場前に

      SXSWとは?

      毎年アメリカ合衆国テキサス州オースティンにて開催されている、大規模フェスティバル。1987年に始まり、音楽祭、映画祭、そして最先端技術や社会問題などをテーマとしたインタラクティブフェスティバルが組み合わさったイベントです。Twitterがブレイクするきっかけとなったのも、このイベント。世界中の最先端が集結します。

    • SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)視察
      Virtual Cinemaにて、エミー賞受賞歴のあるFelix & Paulの展示

      なぜVR(バーチャルリアリティー)なのか?

      今年のSXSWも含め最近の映像メディアは、視聴者の行動によって演出が変わるインタラクティブ性のある映像や、制作者が抱くWHYを入り口に主観的になれるストーリーテリングが重要視されています。 中でもVRは”媒体の最終形態”(*1)と言われ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を通して、視聴者を作品の世界に転送させる事ができます。例えば、戦地の写真やニュースを見るのと、VRを使ってその場にいるかの様な体験をするのでは、情報やストーリーの捉え方、心に刻まれる深さが全く変わってきます。

      (*1) クリス・ミルク 「TED2016 芸術として生まれ変わったバーチャルリアリティー」

    • SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)視察
      【現実を豊かに: ニュースで世界を拡張する】講演の様子

      SXSW が唱えた VRのこれから

      SXSWの目玉は、GoogleやAmazonを始め世界のキーマンたちがその年のトレンドや未来を語るセッション。中でも今年はVRだけに特化した講演が50以上も開催されました。その中でいくつか私が勉強になった講演をご紹介します。

      1.【ノニー・デラ・ペーニャによるセッション】

      「VRのゴッドマザー」の異名を持つノニー・デラ・ペーニャ氏が、ジャーナリズム・報道におけるVRについて語りました。ノニー氏はVRが普及しはじめるずっと前よりVRコンテンツの制作・研究を行っていました。その中でジャーナリズムの新たな表現方法として、社会問題をCGや実際の音声を使用してVR空間に再現をし、視聴者に第三者目線で体験させるコンテンツを制作しました。テレビでは伝えきれない現場の空気感などもリアルに伝えることができます。VRは新聞やテレビに続いて、新たなジャーナリズムの表現方法として確立されそうです。

      2.【現実を豊かに:ニュースで世界を拡張する】

      この講演では、Google News Labのエリカ氏が、ストーリーテリングにおけるVRと他の媒体の違いをいくつか挙げており、その一つに”ストーリーリビング”という表現がありました。今までは視聴者は受動的にストーリーを伝えられていたのに対し、VRを使って視聴者に体験の空間を与えると、主体的にストーリーを自ら探しに行くことが出来ます。ストーリーの中で生きる事により、理解が深まるだけではなく、一つのストーリーに対して様々な意見・見解が生まれます。
      また、同講演でThe Washington Postのジェレミー氏は、ニュースにおいてVR/ARは、視聴者のストーリーの捉え方の幅を広げる事が出来るので、無視することはできないと言っていました。まだVR/ARが完全に普及していない中ですが、今始めてノウハウを貯める必要があると断言していました。

      3.【どうすればVRはメインストリームになるのか?】

      こちらの講演では、VRがまだ一般層に普及していないのに対して、どうすればVRを広められるのかを議論していました。VRが普及するにはあと2~5年かかると推測しており、その為には、コンテンツを視聴者にしっかり届ける事が重要と挙げていました。制作する前に、「ターゲットは誰か」「視聴者が作品に行き着く経路」「どのプラットフォームを使うのか」などのマーケティングをしっかり行うことが必要と言っており、他の媒体でも必要な事が今のVRにとっては非常に大切になってくるそうです。

    • SXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)視察
      VR制作スタジオWithinによるマルチプレイ型VRゲーム

      SXSW 2018 VRまとめ

      SXSW 2018におけるVRのまとめとして、以下の3点が挙げられます。

      ・VRの表現方法はストーリーリビング
      ・VRの普及には時間がかかる。だが普及してから始めるのでは遅い。
      ・VRは360度動画から本当の意味のバーチャルリアリティーへ

    • 今年のVirtual Cinemaでは、その場で静止して見渡す360度動画の作品もありましたが、ゲームなどの自由に動き回れるコンテンツが多い印象でした。その場から動けなかったVRに対して、仮想現実の空間に没入する事の出来るコンテンツが増え、VRのトレンドが変わってきています。この流れに沿って、私たちイノベーション事業部も時代に後れを取らないコンテンツ制作を行っていきたいと思います。