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2018.05.11

『Going!Sports&News』生字幕奮闘記

小潟達也/三輪芳華

小潟達也/三輪芳華
メディア事業センター 字幕・解説放送制作部

    2017年4月から字幕付与が始まった、毎週土曜・日曜放送中の『Going!Sports&News』
    これまで、単発のスポーツ中継番組などにはリアルタイム字幕を付けてきましたが、わんこそば方式でのレギュラー番組としては初の試み
    試行錯誤、紆余曲折があった1年間の奮闘記をお伝えします。

    ★4月までの準備期間



    『Going!』の字幕付与が決まったときは、初めてのスポーツ&ニュース番組ということで、不安な気持ちが大きかったのを覚えています。
    しかし「やるからには成功させよう!」と意気込み、早速準備を開始しました。

    まず取り組んだのが、番組の中身を詳しく知ること
    番組そのものは知っていたものの中身を熟知しているわけではなかったため、過去のオンエアを参考に、出演者・番組構成・コーナーなどを確認し、頭にたたき込みました。

    次に取り組んだのが、担当チームの編成
    通常のスポーツ番組(1種目)であれば、ディレクター1名、オペレーター4名の計5名体制で行いますが、『Going!』では複数のスポーツに加え、ニュースも入るため、万全を期してディレクター1名、オペレーター4名、原稿担当&補助1名の計6名体制で始めることにしました。


    ★オンエアまでの準備



    『Going!』は1時間番組ですが、内容はこれまで経験したことがないほどの情報量でした。
    そこで、番組の項目表からその日放送される競技や企画コーナーの内容を確認し、その競技や企画コーナーごとに担当を割り振りました。各スタッフは割り振られた競技の試合情報や選手のプロフィールなどをネットで確認し、放送で流れるであろう単語を辞書登録していきます。
    さらに、そこに番組側からいただいた原稿に書かれている内容なども追加し、できる限りの情報を詰め込んだ辞書を作成していきました。

    しかし、この作業が最初のうちは大変でした。たとえば短い30秒のラグビーのニュースがあったとすると、放送までに原稿がそろわない場合であっても、オンエア中に迷うことは許されないため、項目表に書かれているチームの全選手とラグビー用語の辞書を作成しなければなりません。それだけでも少なくとも30名の選手と用語の登録が必要となるからです。


    <辞書作成時の様子>
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    ★迎えた4月の初回放送



    初回放送で覚えているのは「とにかく大忙しで、とにかく大変だった!」ということです。
    準備時間はオンエアの4時間前から行っていたにも関わらず、深掘りが足りない、深掘りする所が違った、自分の担当の競技以外の内容を頭に入れる時間がないなどの問題ばかりで、字幕送出が遅れる場面が多々ありました。
    そして一番大変だったのが出演者たちによるスタジオでのトークです。
    MC上田さんの面白いツッコミや受け答え、赤星さん・江川さんの詳しい解説などにうまく対応することができず、納得のいく字幕を出すことができませんでした。

    そんなこともあり、初回は反省点が多過ぎて、オンエア後に1時間以上の大反省会となってしまったのを覚えています。


    ★徐々にスマートな体制に



    反省会を繰り返しながらオンエアを重ねること約半年。
    9月には新リアルタイム字幕システムが完成し、音声認識システムの認識率が飛躍的に向上。
    少しずつですが字幕の量・質も良くなっていきました。

    また、ディレクター、オペレーターともに徐々に番組内容にも慣れ、効率的かつ落ち着いて作業ができるようになりました。
    その一番の要因が、作業のネックになっていた辞書作成の簡略化です。
    初回放送からコツコツと作り込んできた種目ごとの辞書をデーターベース化して流用することで、辞書作成時は不足単語のみを補うだけでよくなり、大幅な作業時間の短縮へとつながりました。イチからの辞書作成が不要になったことでスタッフの負担は軽減し、これまで辞書作成に割いていた時間を、台本や原稿を確認する時間に充てることができ、スタッフそれぞれがオンエアに備えた態勢を整えられるようになりました。

    このような背景もあり、当初はディレクターやオペレーターとは別に原稿を頂きに行く専門のスタッフを1人立てていましたが、オペレーターの1人が原稿係を兼ねる体制を構築し、スタート時の6名体制を5名体制へとスマート化させることにも成功しました。


    <新人もどんどん育成中!>
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    ★初の複数色付き生字幕放送



    そして今年1月、民放では初の試みとなる複数の文字色対応を開始
    今までの生字幕放送では通常1番組1色の文字色しか表示できなかったものを、日本テレビ・技術開発部と協力し、新たに開発した新リアルタイム字幕システムで、話者ごとに色を付けることを可能にしました。
    「文字に色が付くと分かりやすいのに」という利用者の方々からのニーズもあり、それをカタチにすべく、新たなシステムにその機能を導入。『Going!』にて初運用となりました。


    ★『Going!』字幕付与から1年



    開始当初は字幕放送の認知度も低かったのですが、今では番組スタッフの方々にも我々のことを覚えていただけるようになりました。
    また、文字に色を付けたことに関して、感謝のお声を掛けていただいたこともあり、見てくれている方がいるということが我々字幕スタッフの大きな励みにもなっています。

    これからも番組スタッフの方々のご協力のもと、字幕スタッフ一同よりよい字幕放送を目指して改良、進化を遂げていきますので、今後とも字幕放送をぜひよろしくお願いいたします。