AX-ON
axon

Site Report

NEWS /

2017.11.08

「逃亡中の女王」とも言われた小池百合子都知事の完敗
~衆院選・パリ取材~

久野村有加

久野村有加
ニュース・ライブセンター ニュース部

    「非常に厳しい結果だと思います」
    「私自身にも奢り、慢心があった」

    敗戦の弁を述べる小池知事(小池都知事の左が筆者)

    敗戦の弁を述べる小池知事(小池都知事の左が筆者)

    10月22日。衆議院選挙の投開票日。
    東京都知事としての公務で訪れたフランス・パリで、小池百合子氏は”都知事”としてではなく、”希望の党代表”として敗戦の弁を述べていた。
    去年7月の都知事選以来、『小池旋風』を目の当たりにしてきた担当記者としては、小池百合子氏にも『失速』する日が来るとは・・・様々な思いが去来していた。
    そもそも、小池知事は本当にパリに行くのか。
    衆議院解散前から設定されていた外遊日程であり、当初から出馬を否定していた小池知事だが、担当記者だけでなく都庁職員など関係者全てが、公示締め切りまで「小池知事は知事を辞めて衆院選に出馬するのではないか」と疑っていたし、小池知事も出馬の機会をうかがっているとほとんどの人が感じていた。「本当に政権交代するのではないか」という思いを抱く人もいたように思う。

    それが「完敗」という今回の結果になったのは、やはり、いわゆる「排除発言」が一因になったのは間違いないだろう。あの発言を現場で聞いていた者として、一連の放送で気になったのは、小池知事があの発言に至ったのは、記者の質問を受けてのことだったという点だ。
    「排除するんですか」という問いに対して「排除されないと言うことはないです、排除します。というか絞らせていただくということです」このように答えている。
    小池知事は「排除する」と言ったすぐ後に、「絞らせていただく」と言い直しているが、一度言った言葉は戻らない。その後、どんどんと一人歩きしていき、小池知事に吹いていた風向きを変えることになった。小池知事はキャスター出身であり、言葉の持つ力をよく知っていた。1番効果的に印象づけるにはどうするべきか、言葉を含めて表現にはいつも気を付けていた人だと思う。
    その小池知事がこのような発言をしてしまったのは、小池知事自身が反省として述べた「自身の奢り」だったのではないか。このことを通して改めて、テレビの持つ影響力を感じたし、発言を切り取って放送する時に注意しなければならないことなども考えさせられた。
    選挙を終え、小池知事への注目は格段に下がっただろう。話題が移り変わるのは当たり前のこと。しかし、小池知事就任以来1年あまり、「オリンピックの会場問題」「豊洲市場移転延期」「都議選」など『小池旋風』に吹かれ続けてきた担当記者としては、「都政に邁進する」と述べた小池知事が、抜群の求心力を低下させてしまった今後、どのように都民の理解を得ながら東京を動かしていくのか取材を続けていかなければならない。

    最後になるが、今回、党首が海外にいるという異例の事態の中、全社の選挙特番に向けて日本テレビが小池知事会見の代表中継を行った。大規模な海外取材は事実上はじめて経験した私だったが、技術チームを中心とした選挙特番チームのおかげで、パリにいながら日本で中継しているかのような完璧な放送ができたそうだ(私は見られなかったので)。改めて、テレビ放送はチームワークが重要だと実感した取材現場でもあった。