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[2008.03.03 up]

猫の"ぴっぴ"

メディアセンター R.OSHIMA


"ぴっぴ"との出会いは、2005年1月に舞い込んできた「御社の企画を採用します」というKDDIau(EZチャンネル:携帯動画コンテンツサイト)からの一通のメールから始まる。当時、わたしは、新規事業を立ち上げる部署にいて、何かで、、、あっといわせたい!と日々右脳と格闘つつ、身の程知らずな夢を語りつつも、空想と月日だけがむなしく流れていた。・・・だから、この採用通知は飛び上がらんばかりにウレシかった!!その晩は馴染みの居酒屋「ちょっとら」で、部員全員で大祝杯をあげたのは言うまでもない。(みんなと言っても、ハヤシ君とキクチ君だけだけれど)

「シンデレラCafe」という女の子向けの携帯サイトで、週に3回1分間の動画の配信とモバイルサイトの構成からなる。(当時はナンバーポータビリティ制もなく、ワンセグ放送もなく、ソフトバンクもなく、auが動画で1歩抜きんでて、docomoのシェアを虎視眈々と狙っている時代だ)

この企画では、"猫"を重要なモチーフにしていた。
だが、当時のわが家には猫は存在していなかった!15年間可愛がっていた猫を亡くしたばかりで、「もう猫は飼わない」という暗黙の了解がダンナとわたしの間にあったのだ。

・・・しかし、どうしても「猫」が必要になった。
ある日思い切って「企画が通ったから、どうしても猫がいる!」
とダンナに宣言した。ダンナは渋々だが、もともと猫大好き人間。
どうせ飼うなら茶色のアメリカン・ショートヘア!
と言い切った。
当時「ボク猫です」というキャッチでAQUOSのCMがバンバン流れていた影響もある。かくして、この広い東京中を探し回り、たった一匹だけめざす茶トラがいた。雨のそぼ降る2月の寒い土曜日、大泉学園まで車を飛ばし、いそいそと子猫がいるペットショップへと急いだ。

捜し求めていた生後3カ月にもならないちっぽけな子猫は、ほとほと情けない顔で必死にケージにしがみついていた。瞬間、気持ちがすーっと引いて、ひるんだ。
「ヤ、ヤバい!カワイクないじゃん!」内心の声がきっともろに顔に出ていたに違いない。
だけれど、「・・・こ、この子く、く、ください...」と声を発したのはわたしだった。

その年の春から、怒涛のような日々が続いたものの「シンデレラCafe」は10月であえなく終わる。動画を携帯で見る当時のクオリティの問題と、1か月100円とはいえ有料コンテンツの厳しさが身にしみた。後悔がないと言ったらウソになるけれど、失敗も明日へのステップボードだと信じている。

それから、3年あまり・・・赤毛の"ぴっぴ"は、たくましい若者に成長した。昨年"シンシア"というキュートな子猫(お嫁サン候補)も家族の一員になった。

彼の今の最大の悩みは、気まぐれでわがままなシンシアにいかに気に入られるか?ということ。時折、憂鬱そうに塞ぎこむ彼の横顔を見ていると、微笑ましくもあり、切なくもあり・・・。


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